食べ物レポート

学生食堂のような昼飯

豚天のデミグラソースがけというのは、他店で見たことも食べたこともない

自宅近くの洋食屋に行くと、ほぼ9割の確率でオムライスを食べる。残り1割がカツカレーだ。ただ、ごくごくたまに、本当にたまに浮気をして、ランチ定食を頼むことがある。ランチメニューは固定されているようで、ほぼ変わりはない。日替わりというメニューもほぼ同一メニューがローテーションしている。
その定番定食の一番目が、ハンバーグと豚天のセットだ。お値段もリーズナブルというより、とても安いというべきだろう。少なくとも近隣のラーメン屋で注文するラーメンより安い。
この定食を注文すると、キッチンから引き肉を手で叩くパンパンという音が聞こえてくる。注文が入ってから肉の準備をして焼き始めることがわかる。だから、ランチ定食なのに出てくるまでに意外と時間がかかる。(そこがまた良いのだが)
白い楕円形の皿にハンバーグと豚天が乗っているのを見ると、学生食堂で食べていたランチセットを思いだす。学生食堂のランチはランクが3段階あり、一番下のサービスランチは低価格だが、おかずが貧相だった。大盛りキャベツにコロッケ一つ、マカロニサラダみたいな感じだ。コロッケの代わりがちくわ天とか魚肉ソーセージの天ぷらだった。
真ん中のクラスは、豚肉の野菜炒めみたいなものが中心で、時々ハンバーグになることもあった。付け合わせはやはりマカロニサラダだった。一番お高いセットは、豚肉生姜焼きとかポークソテーのような肉主体のおかずに、いわゆるガロニ、色付き野菜が付け合わせでカップスープがついていた。ハンバーグと白身フライみたいな2品付きという豪華版の日もあった。
この馴染みの洋食屋のランチ定食は、まさに学生食堂ランチ最上級セットに似ている。思い返せば、最上級のランチを食べられたのは月に一度くらいだった。学生食堂なので、値段は安い。一般の飲食店と比べても半額程度だったから、毎回最上級ランチを食べていてもおかしくなかったはずなのだが。なぜか安いランチばかり食べていた。
ちなみに、当時の時給を思い出すと、1時間働けばラーメンが食べられた。ファミレスやファストフードでの食事代は、時給換算で2時間分くらいの金額だったはずだ。学生食堂は並ランチで半時間分程度だから、どう考えても上級ランチを食べられなかったはずはない。昼食をけちって、酒でも飲みに行っていたのかとも思うが、そのあたりの記憶は定かではない。
それと比べると、このランチ定食はあまりに安い気がする。品質的には最上級ランチ以上で、現在の物価を勘案した価格比で考えても、今の値付けは学生食堂で最低ランクのランチ程度だろう。あのころから随分と時間が経っているが、いまだに飲食業は厳しい世界にいるのだなと、改めて考えさせられた。

ランチセットについてくる、ちょっと小ぶりなハンバーグが今の体にはちょうど良い量だ。塩味控えめな味付けも実に好ましい。こんな料理が学生食堂で出ていたはずもないので、コスパという点では圧倒的に現在の方が優れている。そのおかげで、学生時代よりはるかにうまい料理を、財布の中身は気にせず(どちらかといえば、とてもリーズナブルに)楽しめるのは、人生長く生きてきたご褒美みたいなものかな。などと、ちょっとほろ苦い気分にな理ながら美味しくいただきました。

食べ物レポート

ご当地グルメ?醤油焼きそばパン

ネットで配信されるニュースにご当地情報があり、月初に発見した「ご当地焼きそば」とのコラボ製品を二週間ほど探していた。地元のスーパーではどこにも置いておらず、そもそも売っているのかと疑い始めたのだが、隣町のスーパーで発見した。
仮にも市の名称が駅名になっている土地で、その地名とのコラボ製品が売っていないとは、スーパーのパン担当バイヤーの怠慢ではないかとも思うのだが、製パン会社営業の力不足という感じもする。パン屋のサイトで情報を見ると、販売地域は関東一円+新潟、静岡県らしい。となると、市内で買えないのは人気がありすぎて売り切れかとも思いたくなるが、どこのスーパーでも売り切れていたとしたら、棚は空っぽで商品名のタグだけは残るという販売方、仕組みが普通だから、空の棚で売り切れはわかる。そして、そんな棚はない。やはり仕入れていないと考えるべきだろう。
自宅周辺には、日本の二大スーパーチェーンの店とco-op、それに楽天系グループの大規模スーパーが揃っているのだが、それに合わせてコンビニ大手が半径500m以内に10軒以上ある商業密集地だ。そのどこに行っても見つからないのだから(我ながらよく探し回ったものだ)、やはりパンメーカー営業担当の力不足か、企画部門が新製品を大量に投下しすぎて流通側の担当バイヤーに無視されているのか。マーケティング費用の無駄遣いと言われても仕方がないぞ、と元同業者としては言いたくなる。

ようやく隣町で手に入れたこのパンのお味だが、これまたちょっと微妙な感じがある。ひょっとしてバイヤーが手を出さなかったのは、この味のせいだろうか。まずいとは言わない。焼きそば系調理パンとしては合格点以上のレベルだ。某大手パンメーカーの焼きそば入りパンと比較しても遜色はない。お値段もこなれている。(ちなみに、今年の新製品は調理パン系で二百円近くに値上げされていた)
ただ、もともと醤油焼きそば自体が、ソース焼きそばと比べて味がおとなしいというか薄いので、マヨの大量投入で味の強化を図ったのだろう。それが裏目に出たという感じがする。焼きそばというよりマヨそばといいたくなるほどの、マヨマヨ感が強い仕上がりになっている。
しかし、この手の商品の対象顧客層を考えると、マヨネーズ拒否者は考えられないから(マヨラーが大半だろう)、この商品を嫌うものは少ないのも間違いない。タイトルが醤油焼きそばコラボでなければ、普通に美味い調理パンだ。
表にご当地キャラも載せているし、味付けは別におけば、これはこれで良いのだろう。ただ、醤油焼きそばを普及させようとしている地元有志の方たちには、ちょっと残念な仕上がりかもしれない。
ちなみに、自分は時々この醤油焼きそば提唱者の製麺メーカーに行って、醤油焼きそば用麺(醤油タレ付き)を買ってきて自作するくらいにはファンなので、ぜひ改良版でもう一度チャレンジしてほしい。
醤油焼きそばパート2はこのスナック形式のサンドではなく、コッペパンをつかった正統焼きそばパン(紅生姜乗せ)にしてもらいたいのだ。ぜひ、市長にパンメーカーと直接交渉して実現してもらいたい。せめて市役所の食堂だけでも販売してくれないものだろうか。(市長にメールを送って、請願してみようか)
これぞ、地方自治の極みと言える正しい政治活動だな。

食べ物レポート, 旅をする

駅前の「駅前」 再訪

西武秩父駅前にある居酒屋「駅前」を再訪した。昼のみの営業だそうで、午後早い時間に訪れてみたら、店主はお昼寝中だった。暖房の効いた店内は、確かに昼寝をするには絶好の条件だった。他の客もいないので、あれこれ話をしてしまったのだが、元々はお姉さんがやっていた定食屋の後を継いで、常連中心の居酒屋にしたそうだ。現在は秩父の山登りをしにきたグループやゴルフに行った帰りに立ち寄る客がほとんどで、だいたい予約をして来るらしい。だから、ふらりと一人で入ってくる客が珍しかったそうだ。メニューは壁に貼っているものだけで、テーブルには何も置いていない。壁に目をやりながら今日は何を食べようかと考えていたら、店主自らお通しセットをお勧めして来るので、そのまま言われたものを食べるのも良いかと思った。

お通しは六品で、全て一皿100円だという。消費税込みで660円と実に丁寧な説明だった。予約して来る客でも、このお通しだけでちびちび酒を飲む人が多いらしい。野菜中心の組み合わせだが季節によって出るものは変わるそうだ。枝前やこんにゃくを食べながらちびりと酒を飲んでいた。お通しの次は何か注文しなければいけないかと思ったのだが、それは無用な心配だった。
次のお勧めが登場した。フキノトウは好きかと聞かれ、全く問題ないと答えると、「酒の肴にもなるきのこ汁」が登場してきた。店主曰く、この時期の山のものらしい。進められたきのこ汁の上に、パラパラとかかっているのがフキノトウだった。フキノトウと聞かれた時には、春の山菜天ぷらなどを進めてくれるのだろうと思っていたので、これは随分な変化球だった。フキノトウをスパイス的に使うのは面白いアイデアだ。

きのこ汁を食べていると、今度はセリの束を持ってきて、これから茹でるのだが、セリのおひたしはどうだと聞かれた。では、お願いしますというと、これは追加のお通し扱いらしく一皿100円と言われた。ただ、そのセリの束を茹でるとほとんど小皿一つ分にしかならないらしい。いや、これで商売大丈夫かとちょっと心配してしまった。

セリを食べ終わる頃にまた声をかけられた。柚子巻き大根を出したっけというので、それはなんですかと尋ねたら、また一皿100円だからとことわりのあと出てきたのが、大根の酢漬けを巻いたものだった。確かに、ゆずの香りがしっかりしている。

結局、野菜料理の小皿が8皿と酒の肴になるきのこ汁で腹がいっぱいになってしまい、当初注文する予定だった、山菜の天ぷらとか鳥料理にはたどり着けないまま、引き上げる羽目になった。この日は4時から予約が入っているということであり、その前には引き上げるつもりだったが、「今からだと15時29分の電車だね」などと電車の時間まで教えられてしまった。西武秩父駅の発車時刻は全て記憶しているそうだ。どうやら客との会話も、電車の発車時刻で調整するらしく、これは「駅前」の営業ノウハウだなと感心した。
走れば発車時間の3分前で大丈夫だ、などと教えてくれたが、余裕を持って15分前には店を出た。野菜で腹が膨れるというのも不思議な経験だが、あと何回通えば「肉料理・魚料理」に辿り着けるか、ちょっと心配になる。まるで修行をするようなお店なのだが、季節により出し物は変わるそうなので、肉を食べるには春の終わりぐらいにいけば良いかもしれない。夏は川魚だそうだ。

食べ物レポート, 旅をする

立ち食いそばの旅 その2

前回の立ち食い蕎麦の旅は、なんとお目当ての店を間違えるという冗談みたいな失敗をしてしまった。駅の構内に2軒も立ち食いそば屋があるなど、普通は想像できないと思うのだが、事実は改札口の左右に2軒蕎麦屋があった。ちなみに、この本日の蕎麦屋の向かい側にはラーメン屋がある。なんとも素晴らしい麺麺天国な駅だ。それを支えるだけの乗降客数があるのだろうか心配になるレベルだ。秩父市民は無類の麺好きなのかと思ってしまう。

芝桜駅と書いてあるが、この駅は「御花畑」駅だ。芝桜の名所が近くにあるので、飾り看板としてかかっているのだろうし、愛称駅名だ。その駅舎の隣に立ち食い蕎麦屋がある。これも実に古典的な立地だ。

店名は、どうやら「秩父そば」らしい。この店の他にも店があるのかもしれない。メニューは駅そば店としては珍しくシンプルだ。ただし、今回のお目当てはきのこそばで、それもメニュー板を見ると季節限定とある。何も迷わずにきのこそばを注文したが、メニュー板をよくよく眺めてみると、これが一番高額な看板メニューだった。きのこそばは天ぷらそばより高いのだから、「きのこ」はトッピングとして偉いようだ。キング・オブ・トッピングというやつだ。

注文の品は、ほぼ待ち時間なしに登場してきた。(駅そばなので当たり前か)そして、味はジャパニーズ・ファストフードである立ち食いそばの伝統をしっかり守った逸品だった。大量にのっているきのこは、何種類かのキノコがミックスされていて、薄い塩味がついている。ネギも多めだが、立ち食いそばの名脇役であるワカメもたっぷり入っていた。
このワカメというのは、伝統的な蕎麦屋ではあまり見かけない気がするが、立ち食いそばでは海苔の代わりに廉価版トッピングとして使われているのだろう。わずかにただよう磯の香りが、出汁の聞いたつゆにはよくあう。
蕎麦は茹で置きしたものを使っているようで、柔らかめだった。蕎麦の味は蕎麦っぽい。というと変な表現だが、立ち食いそば屋で多く使われている、小麦粉の割合が多いうどんに近い麺とは違っているという意味だ。つゆは薄めのあっさり系だった。どんぶりの底が見えるほどの完食をしてしまった。

楽しみにしていたサイドアイテムの味噌ポテトは売り切れだった。多分、観光客が押し寄せる週末だけの提供ではないかと思う。原材料はじゃがいもだけに、夏だけ提供という季節性はないだろう。今ポテトは蕎麦と同じくらい期待していたので、これは残念だった。
ただ、写真を撮っていて初めて気がついたのだが、キノコそばに匹敵する高額メニューがあった。「しゃくしなそば」だが、これは食べたかった。しゃくし菜漬けのうっすらとした酸味と蕎麦はよく合いそうだ。おまけに、これまた全く知らなかったのだが、SLパレオ号のカレーというものが存在するようで、それを使ったカレーラーメン、カレーうどんがある。なんと、こちらの方がキノコそばよりはるかにご当地蕎麦っぽいではないか。おまけにぶっちぎりの高額メニューだった。

その後、SLパレオのカレーを探してみたが見つからなかった。ひょっとすると秩父ではなく熊谷駅あたりで売っているのかもしれない。カレーラーメンも食べてみたいが、それより先にカレーを食すべきだろう。
また、秩父に行く用事ができたようだ。

食べ物レポート

新宿駅で朝飯を食す

JR新宿駅東口、改札近くにある小体なお店は朝からビールが飲める。この店の向かいは立ち食い蕎麦屋で、そこも客はひっきりなしに出入りしている繁盛店だが、混雑度合いはこの喫茶店+ビールスタンド的な店の方が圧倒的だ。朝は喫茶店で午後は軽食、夜になると飲み屋に変わる三毛作と言えば良いのだろうが、実際は朝昼晩フルメニューで営業している、何でも屋と理解した方が良さそうだ。
ビールのつまみに出てlくるハムやソーセージは本格的でレベルが高い。だからなのか、夜に入ろうとして入れたことがない。いつ行っても満席で、「ああ、今日も入れなかった」を永遠に繰り返している感じがする。一度だけ、たまたま空いている席が見つかって入ったことがあるくらいで、入店確率は10-20年に一度だなと諦めている。
この日も、朝9時に店の前を通りかかったら、なんと3席も空いていたのですかさず飛び込んで席を確保した。朝に入るのはこれが初めてだった。(いつもは満席で諦めて、向かいの立ち食いそばにする)

このトーストとハム(サラミ)とゆで卵半分がセットになっているのが、モーニングメニューの一つだ。これに飲み物がついて、500円でお釣りが来る。たいへんリーズナブルなせいなのか、客層を見ると男女半々といった感じで、いかにも都会の忙しい人たち向けの店という雰囲気がある。店内を観察していると席の回転も早い。
ただ、このモーニングメニューにつける飲み物が定番のコーヒーだけではなく、しっかりビールも選べることだ。(ただし別料金)トーストを齧りながらビールを飲むと、何やらすっかり無頼な人になれるような気がする。

いまだにこの「テーブル障壁」は使用中だが、13日以降はどうなるのか

たまたまなのか、両隣の席が空いてそこに入ってきたのが外国人観光客だった。ここ最近、新宿の街を歩くと外国人観光客を見かける頻度が急増している。大袈裟に言えば、靖国通りや新宿通りを歩くと、すれ違う5人に一人は外国人観光客だと感じる。聞き分けられる言語だけでも英語、仏語は当たり前で、それに中国語が多い。急増した感があるのが韓国語で、なぜかアウトドアショップにやたら登場している。韓国でもキャンプがブームなのかと疑ってしまうくらいだ。ただ、誰も買い物はしていない。ただ見て回るだけのようだ。
薬局で解熱剤が中国人観光客に買い占められているというニュースを見たが、アウトドアグッズはそこまでの人気はないようだ。それはありがたいことだと思う。キャンプ用シュラフやテントが爆買いの影響で品薄ですなどと言われたら、うんざりしてしまう。

この店のメニューはあまりに多過ぎで、一つ一つ確かめるのも大変だ。おまけにモーニング、ブランチ、ランチと時間帯により細かくセットが変わる。唯一変わらないのがいつでも飲めるビールだ。いつも満席で諦めているのだが、しばらくは熱心に空席探しをしてみようか。その時にはフランクフルトソーセージと黒ビールでのんびりしてみようか。
あれこれ考えつつ、10分でモーニングを平らげ店を出た。すっかり気分は都会の忙しい人モードになっていた。そんなに急ぐ用事なんて、全然なかったのだが。周りの人に煽られるというのは、たまにあるものなのだ。コロナの間はすっかり忘れていた「都会のあわただしさ」だった。

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2月の満洲 で気かついたこと

自宅から歩いていけるチェーン店の本店というのは、なかなか珍しい物ではないかと思う。満州発祥の店はすでに他の店に変わっているが、そこから移転したのがこの本店のようだ。満洲チェーンの中では比較的大きな店になるのではないか。この本店の横に別館があり、パーティールーム、宴会部屋として使われている。そのパーティーメニューが満漢全席ならぬ満洲全席になっていて、一度試してみたい物だと思っているのだが、誰か満洲本店での宴会に付き合ってもらえない物だろうか。
宴会の帰りには満州餃子をはじめとするテイクアウト商品の詰め合わせセットなどご用意できるのだが。

恒例月替わりメニューを食べていなかったと気がついたのは2月もほとんど終わりになる頃で、これはいけないと、のこのこと出かけてしまった。ここ数年、冬の時期の恒例になっている「辛い麻婆豆腐」が2月の月替わりメニューだった。
満洲のメニューは町中華にはあるまじき絞り込みがなされていて、シンプルの極みだ。そもそも餃子の店が多少中華メニューを増やしたという体裁だと疑っているのだが、それにしても月替わりメニューの変化の薄さはなんとかならないものか。大ハンバーガーチェーンが必ず秋に実施する月見メニューのようにほぼ定番化された季節メニューも世の中には存在する。だが、中華料理店はもう少しあれこれ変化球にしてくれないかなと思う。
コロナ以前はそれなりに挑戦的なメニューも投入していたので、ここ最近はコロナによる経営打撃や原価高騰などからマイナーチェンジに留まっているのだろう。同じ埼玉発の中華チェーンである日高屋も最近はすっかりおとなしいメニューになっている。
満洲の場合は、餃子がうまければみんな満足ということもあるので、変化の乏しさも致し方ないかと諦めている。それでも月替わりメニューはちゃんとチェックしているのだから、まんまと作戦に嵌められているのは間違いない。
さて、2月の辛い麻婆豆腐だが、どうも昨年のものと変わり映えがしないような気がする。一口目はあまり辛くない。食べ進めるとだんだん辛さが増してきて、最後の方ではうっすらと額に汗をかく。そんな感じの味付けだ。文句はないし、普通の麻婆豆腐より辛いのでネーミングに嘘はない。ただ、年毎にもう少し変化しても良いのではと思うのは、無理なお願いだろうか。
この本店の客層を見ると半分は高齢者なので、高齢者は変化を嫌うという考えがあるのかもしれない。ただ、今の高齢者は70歳を過ぎてもジーンズで街を歩く。足元を見ればそれなりのブランドのスニーカーだったりする。(ナイキが多いのが不思議)ハンバーガーは20代の頃からバリバリ食いまくり、競争社会に適応した「団塊世代」で肉食集団だ。世間で思われるほどジジイ化していないとは思う。いや、いまだに油ぎったウルサい人たちが多いのだから、もっとギラギラした食べ物でも彼らには問題なかろうと感じるのは間違っているのか。

辛い麻婆豆腐があまりにシンプルだったので、追加で定番のホイコーロを頼んでみた。これも、味噌味はマイルドで、回鍋肉特有の油まみれ感はあまり感じない。やはり満洲は、オイルレスでヘルシーな方向にメニューをゆっくり変化させている途中なのだと改めて気がついた。しかし、オイルレスで味付けが薄めな町中華とは、なんとも不思議な存在だ。
健康志向だとかオーガニックだとか声高に叫ぶチェーンの宣伝くささ、嘘っぽさには辟易しているが、本当に健康志向な舵取りをしたい経営者は、あえて何も語らず定番メニューの変化で客を惹きつけるということだろう。次に行くときは、宿題にしていた「玄米で作った炒飯」を食べてみなければ……(満洲は米を使ったメニューで玄米か白米を選ぶことができる)

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ハイスペックディナー@新橋

高知の友人からご招待されて、新橋にある高級イタリアンレストランでお食事会に参加してきた。高知の地元産物を使ったフルコースで、ワインも飲み放題という久しぶりの「ディナー」だった。

テーブルの上にあるナプキンではない「マスク入れ」から今の日本が垣間見える。ただ、ここ数年間はこうした集まり自体が自粛というか禁止というか、令和の魔女狩りというべき「狂乱」の時代だったことを思えば、随分とマシになった。この3年間のさまざまな統計数値を見て、後世の歴史家はどう書き記すことになるのだろうか。最近、あまりニュースでも見かけなくなった例の医療関係者提言集団の「提言」を読めば、数値に基づいていない煽りがあきらかなのだが。医療関係者のボス達は理系集団ではなく、何やら怪しい呪文を唱える数字無視のカルトなグループだったらしい。「怖い怖い教」の教団幹部だったということか。

スペシャルディナーの最初に出てきた前菜は、一口サイズでぱくり。お米を使った「イタリアンなおかき」が食感・味共々斬新だった。併せて出てきた、柚子を使ったカクテルとの相性も良い。

カツオは、おやまあ、これがカツオですかという大変身をしていた。高知スタイルでのカツオのスタンダードな食べ方、つまりポン酢とニンニクとは大幅に違う。野菜としっかり併せて、口の中でのミックスを楽しむ料理になっていた。
無類のカツオ付きとしては、目から鱗が落ちた気分だったが、確かに「鉄分」の多い青魚であるカツオは、強めのソースと合わせると上手くなるし、野菜と合わせる方が食感も楽しめる。なるほどね、これこそプロの腕ということかと、ただただ感心していた。

パスタは白いソースと赤いソースで、かっちりとしたイタリアンスタイルの二種提供だ。この辺りがちょっと嬉しい。

メインアントレは、ジビエ(鹿肉)のローストだった。残念ながら高知さんの鹿は手に入らずということで、今回は滋賀県のもの。ジビエも普通に食べられるようになったのは、どうやらSDGsを売り物にした地域生産物として、全国各地で出回るようになったせいらしい。
確かに鹿は全国ほとんどの場所で捕獲すると懸賞金がもらえる害獣扱いだから、それを有効に利用するというのは良い考えだ。ただ、食材として使うには法整備が不十分なので地域であれこれと対処しなければならないことが多い。
想像以上に柔らかい鹿肉だったが、これはやはりシェフの腕前というものだろう。濃い味の肉に濃いめの甘いソースがよくあっていた。

デザートとコーヒーで締めくくった「ディナー」が終わってみるとおおよそ3時間が経っていた。久しぶりののんびりとした美味しい時間だった。同じテーブルについたゲストの方々もお話上手ばかりで、あっという間の3時間だった。
どうも地方政治家に偏見があり、脂ぎった自慢話ばかり聴かせる人たちだと思い込んでいたが、やはり物事には例外というものがある。お若い時代の海外放浪記や、地元の町につくった健康施設での活動ぶり、あるいは女性利用者からの評判などを面白おかしくお聞かせいただき、すっかり楽しませていただいた「町長」、お話ありがとうございました。

美味しいものを食べ、洒落た会話を楽しむ。面白い話を聞く。普通の楽しみが戻ってきて良かった良かった。

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ツインストアの片割れ

以前に書いた一つの建物に2軒のラーメン屋が入居している場所の2軒目に行ってきた。前回のラーメン屋はこの右側にある。ただし、入り口は一緒だ。中にはいる入り口のドアが左右に2枚並んでいる。左のドアに入ればまぜそばの店だ。
この店は埼玉県のあちこちにあるローカルチェーン店で、お店のサイトを調べてみたら、なんと隣の店が本家で、このまぜそばの店が分家というか子会社のような位置にある。なぜ埼玉特化型なのかはよくわからないが、埼玉の風土にあった麺料理を出している………ということでもないらしい。
ただ、店の中に入ると埼玉ラブな感じが、あることはある。

この店の注文の仕方はちょっと変わっている。まず食券販売機で注文するものを決める。従業員に食券を渡すときにトッピングや味付けの指定をする。このあたりが「二郎系」呪文を唱えるのと同じだろう。当然、増量も可能で、例の「ニンニクマシマシ」みたいな呪文になる。
今回は初回なので、全部入れにしようかと思ったが、①③④⑥にしてみた。増量はなしだ。エビマヨは食べたことがないので最初に決めた。ベビースターは食感パリパリに重要だし、追加調味料としてニンニクと辛味は外せない。次回は、ヤサイマシマシにしてみようと思ったが、初回は普通盛りにしておいた。

待つこと10分程度、太麺は茹でるのに時間がかかるので多少待ち時間が長めになる。後から入ってきた客は、連続して長めの呪文を唱えていた。それがどうにも気になって、隣の客の注文が出てきたときに横を見て確認してしまった。それはものすごいものだった。なぜか丼の上にどんぶりが逆さまになって盛り上げっているような印象がある。山盛りではなく富士山盛りという言葉が思い浮かんだ。
それを食べるのかと、ついつい隣の客を尊敬してしまう。やはりこの店のスタンダードな注文は、麺もトッピングも全てをマシマシにした、超巨大ガツン系まぜそばにあるらしい。どうりで自分の注文の時に「普通で良いのですね」と何度もダメ押しされたはずだ。

出てきた麺普通盛り、トッピング四種だけ増しなしのライト級まぜそばを、ぐしゃぐしゃと混ぜる。広島の汁なし担々麺は5回混ぜると言われたが、これもしっかり混ぜるためには、それなりの回数、時間が必要だった。混ぜているうちにニンニクの匂いがぐわっと立ち昇ってくる。混ぜるたびに見た目は悪くなっていくのだが、その分だけ味は良くなるはずだ。
そして、混ぜ作業を完了し実食すると、まずはニンニクが強烈にくる。その後、濃いタレと混じった歯応えのある太麺が、麺料理とは思えないハードさを味あわせてくれる。顎の筋肉強化には絶好だろう。噛み締める。飲み込む。次の一口を口の中に入れて、噛み切る。噛み締める。飲み込む。これを延々と繰り返す。その途中では一度も「麺をすする」という行為はない。ツルツルではなくモグモグだ。いや、モグモグというよりガシガシかもしれない。
ものをしっかり噛むと空腹感が収まるらしいが、この一杯を食べ終わった時には、満腹感しかない。ニンニクのせいか、顔にはうっすらと汗が浮かんでいた。達成感がある食事になった。

カウンター上にある間仕切りは埼玉ネタ、埼玉アルアルが描かれていた。カウンターに並んでいる間仕切りの全部を確かめてみたくなった。都道府県別人気ランキングで、いつも最下位近辺をうろちょろしている埼玉だが、自虐ネタが大好きなのは某ヒット映画で明らかになった。
千葉県オンリーとか神奈川県オンリーというローカルラーメンチェーンはいくつか知っているが、ここまで地元愛(自虐愛)に溢れたところは知らない。良くも悪くも埼玉らしいというべきか。
次回は、マシマシのまぜそばにするか、それともまぜそばを超えるヘビー級と言われるオリジナルな「ラーメン」にするか、ちょっと悩ましい。

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魚屋の食堂で

普通に美味しい鮨 これはごやはり馳走だ

高知から来た友人のお供で魚屋巡りをした。百貨店にある魚屋を回ってみると、改めて思うことだが、魚屋は随分と小さくなっている。生鮮三品などというが、肉や野菜の売り場と比べると相当に小ぶりだ。また、並んでいる魚も、全国津々浦々から豊洲市場には運び込まれているのだろうが、売り場に並んでいる魚は見慣れた魚ばかりで、それこそ販売品目の選択と集中が実現されている。肉売り場の品種や部位の差によるバリエーションと比べると、魚売り場の衰退は明らかだなと感じる。
そんな感想を抱きながら、昼飯には魚屋直営の食堂に行って何か食べようと言うことになった。魚料理の定食もたくさんあるのだが、なんとなく握り鮨になってしまった。どうも魚定食は日常食的イメージが強すぎて、ごちそう感が足りないせいだろう。
塩焼きとかサバ味噌煮となると、どうしてもサラリーマンの昼定食のイメージから抜け出せない。魚が鯖からサーモンや金目鯛に変わっても、その昼定食の延長線上にある感覚が拭いきれない。魚屋直営店とはいえ、料理人は魚屋従業員ではなく料理の専門家だろうから、良いお仕事をしているはずなのだが…… これでは全く偏見というしかない。
その点、握り鮨は華やかだ。色とりどりで見た目にも美しい。東京で食べる握り鮨といえば、赤のマグロと白のイカという定番に、光り物、白身という組み合わせになる。これに穴子を加えればほぼ東京握り現代版の完成だが、最近ではこれにオレンジのサーモンといくらが加わる。なぜか黄色い卵が入っていないのは、魚屋のプライドなのだろうか。ちなみに東京握り古典版では、生の魚ではなく調理、加工したものが使われているので、それはまた別物だ。

魚屋直営の店なので、魚の鮮度には全く疑いを持たない。うまいはずだと思って、それでおしまい。休日のランチということもあってか、シャリ玉は大きめだった。これが夜になり、酒でも一杯やりながらつまむということになると、もう少し小ぶりにな握りになるのだろうか。それは一度確かめに来てみなければなと思った。
鮨専門店ではない、魚屋の食堂は昼夜であれこれ出し物が変わっているような気がするので、次はぜひ夜に「視察」という名の飲み会をやることにしよう。

食べ物レポート

秩父のパン屋でお気に入り発見

前回の秩父鉄旅で発見した、懐かしさを感じるパン屋さんに着いたのは午前中だった。当然、まだ商品は売り切れていない状態なので、あれこれと選び放題だった。店主自らの接客で、これもあるよとだしてくれたのが大量の調理パンだった。どれもこれも美味そうなのだが、今回は甘いパンを買うつもりなので断念した。調理パンは次回だ。しかし、焼きそばパンを含めどれもこれも美味そうだったなあ。

前回に引き続き調達したのが、売れ筋第一位のくるみデニッシュだ。これはボリュームもすごい。朝食に食べると、一人分としてはちょっと量が多すぎる感もする。とりあえず一つゲットした。

その隣にある激うまニャンなチョコチップは前回売り切れていて買えなかったものだ。これも今回は無事にゲットできた。しかし、「ニャン」とはなんだろう。この店にはネコの店員がいるのだろうか。店主が猫好きというだけのことか。それとも……………と妄想は膨らむ。不思議なPOPだが、秩父のキャラはくまだったはずだし、なぜチョコチップが猫推しにゃんだ??

そして、今回の目玉商品ともいうべき「ざらめ」ペストリーで、これも一つ手に入れた。このパンはメロンパンの原型ではないかと思うのだが、パンの上にざらっとかけられた硬いざらめの食感がすごい。カリカリのザラメは甘さも強烈なのだが、パンと合わせて食べると甘さはあまり気にならない。というか、気にしてはダメだ。このパンを食べている時には、「ああ、今自分は砂糖を直接食べている」という、なんともいえない罪悪感がある。こういう食べものは、10代限定ではないか、歳をとった代謝の落ちたオヤジには向いていない。食べた後には、どこかで贖罪しなければいけないギルティーな食べ物だという認識はある。しかし、背徳感があるほど食べ物はうまいのだ。
あんぱんやクリームパンは、中身の甘さが背徳感を呼ぶ。それでも饅頭の大型変形と思えば多少は和らぐ?背徳感だ。しかし、メロンパンはパンの上に甘い皮が乗っているだけなので、直接的に砂糖成分を食べてる感が強まる。その上をいくストレートな背徳感と罪悪感をもたらす存在が、このざらめペストリーだ。全く言い訳が効かない。
「砂糖力が暴力的に発揮される、砂糖を振りかけただけですが、それがなにか?」という究極の力強さがある。カリカリとしたザラメがそれを増幅する。
これは自分に弁解をせずに、むしゃむしゃ食うしかない。うまいものはうまい。味覚中枢のどこかで悲鳴が上がっているが、そんなものは無視するべき食べ物だ。やはり、砂糖は麻薬の一種なのではないかという疑いが消えない……………
店主にこの商品の開発経緯を尋ねて見たい。ざらめがかかったせんべいを食べて思いついた、という答えが返ってきそうだが。

くるみとチョコチップデニッシュを並べてみた。これはほとんどミラーツインというやつだ。個人的には胡桃が好みだが、半分に切ったものを一つずつ食べると味の比較がしやすい。ハーフ&ハーフで食べるのが望ましい。
どちらもうまいので、できればハーフサイズにして、それを合わせて2個入りにしたものを販売してくれないかなと思う。パン好きには若くて食欲旺盛な人ばかりがいるわけではないので、オヤジ向けに小さいサイズをぜひ検討してほしいものです。ざらめパンのハーフサイズは……………無理だろうなあ。
次回は調理パンにチャレンジだ。