
居酒屋探訪をする旅番組をよく見る。一人飲みが気に入るようになったきっかけだが、最近ではどうも番組内容がワンパターンなので食傷気味にもなってきた。あれは、コロナの外出強制自粛時期だから楽しかったのだろうか。自分が旅をできなかったための代償機制だったようだ。今では実際にあちこち行けるようになったから、テレビ画面で見ているだけより、カウンターに座って飲み食いする方が良いのは当たり前………ということになる。
そのソロ酒の店を選ぶ嗅覚というか眼力というか、これは場数を踏まなければ身につかない。初見の店で、店構えだけで雰囲気の良し悪しを判断するのだから当然だが、入ってから「良い店を選んだ」と自分を褒められることは稀だ。勝率は5割に届かない。2回に一度はハズレを引くというのが実感で、良い店に当たるのは5回に1回くらい。あとは、「普通の居酒屋」で、可もなく不可もなしという結果になっている。
それでも、この店は良さそうだなと思うことが多い。店頭の行燈を見てなんとなく期待感が湧いてきた。

入り口は実に賑やかだが、人気店らしく入り口を潜ったときにはカウンター席が二席だけ空いている繁盛ぶりだった。店頭に立つ女優さんが宣伝しているので、てっきりこの方は島根県出身だと思ったのだが、調べてみるとどうも島根には全く関係ないようで、おまけによくよく見ると推しているのは宮崎県の焼酎だった。店主がこの女優さんのファンなのか、それとも焼酎の営業担当者がとてつもない圧をかけて押しつけだのかもしれない。今回は島根の地酒を飲む気なので、焼酎は関係ないのだが。でも、ちょっと気になる。

日本海沿岸ではイカがおすすめメニューになっていることが多い。そういえば函館のイカもこの季節だったような記憶がある。イカはいつ食べても美味いので大歓迎だ。ただ、すでにイカは高級魚扱いなので値段を見るとびっくりする。そこが悲しい。

変わったご当地メニューでもないかと探してみたら、穴子の串揚げというのがあったので注文したら、出てきたのが実に名前の通りの代物だった。味も、全く完全に「アナゴ」味だった。意外だったのは、穴子が天ぷらよりもフライに向いている魚だということだ。ひょっとするとうなぎもフライにすると絶妙かもしれない。しかし、この二串だけというのはちょっと寂しい。串揚げはやはり5本くらい出してほしいものだなあ。

店長の推しメニューの中で全く島根との関わりに見当がつかないものがあり、恐る恐る頼んでみたのがこれ。たこのフライをマヨネーズソースであえたもの、何ともすごいルックスだ。「タコからネギマヨあえ」という。見た目は文字通りそのまんまだ。
実食した感想として一言、「たべたらうまい」だった。見た目とは裏腹だ。どうも最近、日本中の居酒屋で増殖している「チーズ系ソース」と「アレンジ・タルラルソース」については一度本格的に調査(笑)してみよう。
平成から進化し続けてきたニューフェースだが、これが令和の時代に爆発的な展開をしそうな予感がする。高カロリー排他主義者は、令和の時代に少数民族化してきている感じがする。どうも強烈なダイエット志向も滅びゆく時代のようだし、健康志向と濃厚味嗜好を並立させる時代でもある。令和は昭和・平成が産んだ「いろいろな食べ物があるので、食べすぎる必要がない世代」ではないか。あくまで仮説だが、コロナの強制外出自粛措置と関係があるようにも思う。
濃厚味のタコフライを食べながら、味の嗜好変化について分析的な思索をした、島根の有意義な夜であります。








































