旅をする

当方の事情です

ご当地名物を紹介するテレビ番組、「秘密のケンミンショー」が大好物だ。この番組で紹介されたご当地メニューは随分と新商品開発のネタにさせてもらった。ありがたい長寿番組だ。
その番組の中でも紹介されたような記憶があるが、ユニークローカルフード「北海道の赤飯」だ。
まず写真でわかるように、赤飯に入っているのは小豆ではなく金時豆の『甘納豆』だ。当然、出来上がりの赤飯は甘い。それに紅生姜を乗せて、胡麻塩を振って食べる。甘さとしょっぱさが入り乱れる一品だ。
おまけに赤飯には食紅を入れてピンクに色付けする。こちらの赤飯は食紅控えめだが、たまに「ド・ピンク」の赤飯に出会うこともある。健康志向の強い方なら口にするのも躊躇うピンクさだったりする。

ただし、全国で一般的な小豆の「甘くない赤飯」も同様に販売されている。北海道は明治期にほぼ全国から移民・棄民されてきた人たちの集合体であり、食文化や言語がミックスされている。ベースは地理的に近い北東北、そして当時のメイン航路であった日本海沿岸地域の文化が多様に持ち込まれている。そのため、雑煮が味噌仕立て(西国)と醤油仕立て(東国風)が混在している。いわゆる北海道弁も、ベースは北東北の言葉で、それから派生した全国方言からできた人造語が混じる独特のものだ。
北海道全体の面積が広いこともあり(日本全体の約1/4)沿岸部と内陸部では語彙の違いがある。最近ではそれもミックスされてきて、どんどん東京弁に近づきつつあるが。(ちなみに〇〇弁というのは、いわゆるポリティカルコレクションの風潮により、放送禁止用語らしい。〇〇弁のどこに差別意識があるのか不思議だし、そもそも日本に標準語など存在しないではないか)

だからスーパーに行けば、いつでも赤飯は甘納豆と小豆のに2種類が並んでいる。不思議なことにいつもほぼ同数並んでいるが、日によって甘納豆の赤飯が残っていたり、小豆の赤飯が残っていたりする。面白い現象だ。
なので、北海道に行くと、いつでもお江戸で買える小豆の赤飯は買わない。甘納豆赤飯オンリーだ。北海道に旅をする機会があればお試しください。

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