
自宅からお江戸に出かけていくときのJR乗り換え駅は学生街のある。ただ、その学生街が最近はすっかり多国籍タウンになり、看板にかかっている字が読めないことも多い。特に、日本語ではない漢字の店が増えている。内装も異国風というか東南アジアを旅したときによく見かけた軽食堂的なイメージがある。店内を覗くと異国情緒もあると言えばある。
だから、回る寿司の店を見るよホッとするのだが(いかにも日本的で機能的な店内だからだろう)、そこにいる客の半数くらいがこれまた日本語を解さない旅行者であったりする。店内にこだます異国の言葉になんとも奇妙な気分になる。日本人安住の地は路地の奥のこじんまりした店蔵しかなくなってしまった。お江戸の国際化とはこういうことかと思う。
そんなあれこれを思いながら、久しぶりに回転寿司を食べてみた。
ネタは熱くなった気がする。食べこだ絵がある。が、値段は三倍くらいになった。昔の回らない大衆鮨屋の値段を超えている。コロナの影響で日本中の飲食店が整理され過当競争が減った。生き残った店はコスト転嫁を堂々とできるようになった。平成の価格に対する常識はもはや過去のものだ。ただ、価格上昇にスライドして賃金が上がったわけではないので、外食総需要は、金額的に伸びても、利用者層は減少する。より安価なテイクアウト食品、それもが一色企業の製品ではなくスーパーなどの流通業に支配権を譲ることになるのだろう。

そんな価格高騰と全体競争の鈍化により、業態によっては寡占化の最終ステージになったりする。回転寿司業界は外食として規模が大きいが、二大チェーンとその他大勢の弱小という構図に収束しつつある。だから、大手二社以外の店に行くと、意外とアイデア商品というか掘り出し物に出会うこともある。
このネタの端をミックスした軍艦巻きなどは、その際たるものだろう。お値段お手頃で、実は酒の肴に向いた逸品だと思う。このミックス軍艦とサラダ軍艦を食べ比べると、現在のチェーンの立ち位置が見えてくるとまで思うほどだ。
北海道や北陸の質実剛健、ネタの高品質と低価格で勝負している姿を見ると、お江戸の回転寿司屋はもう死に体なのだなと思う。だからこそ、その最後の時まで付き合ってやろうとも思うのだけれど。チープな寿司(鮨ではない)を食うのであればお江戸に限ると思う今日この頃であります。