食べ物レポート, 書評・映像評

ナブラでご飯

プラカゴに入って売っているのはみかんだった

「なぶら」というのは業界用語で、カツオの群れをさす。高知に足繁く通ううちに、土佐弁のヒアリング能力は向上したが、それと合わせて「土佐言葉」「料理言葉」もカタコトながら覚えるようになった。自分にとって第三外国語は土佐弁と理解しているので、わからない言葉はともかく周りの人に聞く。言語習得には小学生並みの好奇心、向学心が重要なのだ。
その「なぶら」を冠とした道の駅がある。その中にカツオ専門レストランがあり、色々なカツオの食べ方を楽しめる。この地は高知県でも屈指のカツオ漁港であるだけに、観光バスに乗った団体客も押し寄せる。それだけではなく高知県内の観光、ビジネス、その他あれこれの通行人も群れてくる。まさに「なぶら」状態だった。よい名前にしているものだと感心した。

高知で定食を頼むと大抵の場合、沢庵がついてくる 沢庵ラブな県民性?なのだと思う

その「なぶら」の一角に入り込み、カツオで昼飯をすることにしたが、さすがにたたきを注文する気にはならない。前日、たっぷりとこれまたカツオの名所で、うまいたたきを堪能した後だった。
あれこれ変わり種のカツオ料理を物色してみたが、三色丼に食指が動いた。たたきとカツオそぼろとカツオカツの三点もりだ。たたきは普通にうまいが、カツオフライはいささか不思議な感じがする。ツナ缶をコロッケ状にしたような感じがする。ツナ缶コロッケと言われれば味の想像はつくだろうが、まさにそういう味だった。
そして意外に奮闘しているぞと思ったのがそぼろだ。カツオは熱を通すとやたら硬くなるが、このそぼろは調理の加減なのだろう、固さをあまり感じない。むしろ柔らかめの食感であるし、カツオの旨みがよく出ている。
売店でソボロが販売されていたが、確かにこれは家でも食べたい逸品だ。三色丼を堪能した。

高知では有名なカツオ漁船、明神丸の本拠地でもあり港近くにある加工場は体育館をいくつも連ねたような巨大施設だった。南洋で釣り上げられたカツオをこの町で一斉に加工しているとのことだが、小学生の社会見学に連れてこられたらカツオ産業に参加したくなるかもしれない。

高知県西部 四万十川流域はうなぎだと思うが、やはりカツオがメインだった。うなぎはサイドアイテム

店内ではカツオ関連商品がたくさん販売されていた。お江戸界隈ではあまりお目にかかることもないハラミの加工品があり、試しに購入試食してみた。珍味なのだろう。
しかし、POPに書かれている「攻め文句」が「お酒が進むよ♪」とは、なんとも高知らしい。このセンスは、敬服するしかないな。

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