旅をする

沖縄の締めめし

仕事できていながら泊まっていたのがリゾートホテルで、部屋のベランダからは海が見える。眼下に広がる野球場はプロ野球のキャンプにも使われるらしい。ホテル周辺の飲食店で大量のサイン入り色紙が飾られていたが、それもプロ野球選手が大半らしい(と友人が言っていた)
確かに12月近くになっても半袖で出歩ける温暖な気候だから、アスリートの調整にはもってこいだろう。東シナ海で獲れる魚もうまそうだし。
などと感慨深く思っていたのは沖縄を離れる日の朝だった。仕事でなければもう二、三日滞在したいくらいだった。

そんな軽めの沖縄ロスみたいなものを感じつつ空港に向かった。リゾートホテルは公共交通の便が悪い。空港行きのリムジンバスに乗るのが便利だが、飛行機の時間にぴったりとあわせて運行しているわけでもなく、空港で二時間ほど待ち時間ができた。
同行していた友人と二人で最後の沖縄料理を食べようと、空港内のレストランを見て回ったら、なかなか良さそうな店があった。郷土料理の店とあるが、麺類を中心になかなかのラインナップだった。

やはり沖縄の締めといえば沖縄そば………とはならず、アグー豚の焼肉と島ラッキョウにした。アグー豚はコクがあってうまい。量産性が悪いのでお値段は高めだが、お江戸に戻れば手が届きにくい高級品になる。やはり最後はこれを食べておきたいと、シンプルな焼肉にした。
島ラッキョウは小ぶりでピリリと辛い。よく見かける甘酢につけたラッキョウとは違い、いかにも酒のつまみという感じがする。エシャロットに似ているが、それよりも辛味が強い。これもお江戸で、もっと販売してくれないものだろうか。
当然のように、この料理と合わせて最後のオリオンビールを飲み干した。沖縄はしばらく長期滞在したい場所だなあ、としみじみ思った。

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