
長崎新幹線、正確には西九州新幹線が部分開業してしばらく立った。新幹線が開業すると、ホクホクしながら乗りに行くのが常だったが、今回は流石に遠い。おまけに福岡から直通ではない。長崎から佐賀県の西部、武雄温泉までが新幹線区間で、その先は在来線に乗り継ぎという面倒くささだ。
色々と事情はあるらしいのだが、結局は在来線特急で十分用が足りる佐賀県と、なんとか福岡との時間距離を詰めたい長崎県の温度差にあるらしい。新幹線が通ると従来から利用されている在来線の維持費を地元自治体でも負担させられるようになる。その負担金を超えるメリットがあれば新幹線誘致、メリットがなければ新幹線反対ということになる。
この長崎新幹線の部分開通を他の新幹線で例えてみれば、東北新幹線で仙台と盛岡の間だけ繋がっていないとか、北陸長野新幹線で、長野・富山間が在来線接続みたいな話だ。これは乗客にとって不便だろう。

まあ、そういった事由は色々あるのだが、とりあえず乗ってみようと、旅程では少し遠回りになるが長崎経由で移動をした。先頭車両は最近の高速車両の特徴である鼻先の伸びたものだったが、ライト周りがお化粧されている。なんと、まつ毛か描いてある。なんだか、ふーんという感じがする。
私鉄ローカル線では、けばい化粧をした車両もあるが新幹線は全国どこでもスマートなデザインだと思っていた。これは……………ちょっと予想外だった。

車内は落ち着いたデザインだが、JR九州独特なデザイン感はあまり感じられない。どちらかというと没個性的な東海道新幹線風だ。
新幹線に乗るといつも思うことだが、座席の位置と窓の位置が微妙にずれている。車窓越しの風景を楽しむには、これがなかなか不便だ。最新鋭車両でそれが治っているかと思ったが、相変わらずのずれた窓位置だったのが残念だ。
武雄温泉まではあっという間だった。体感的には東京・新横浜くらいだろう。新幹線区間は在来線特急より時短にはなっているようだが、それが特別にありがたいほどの短縮でもない。

車体にはかもめと書いてある。博多行きだった。だが、途中下車して乗り継がなければいけない。困った新幹線だが、種々の事情で全線開通は今世紀中頃になるのではないか。リニア新幹線も含め、地元利益誘導型にしない新幹線延伸は、この国で不可能になった。これを地方自治体の横暴と呼ぶのか、それとも新幹線が地方活性の役に立たなくなった時代遅れのしろものなのか。こんな話もいつの間にか有耶無耶になってしまう。個人的には新・新幹線の開業は、高速道路の地方延伸よりも経済効果が低いと思う。新幹線が通ったら観光客が増えるとか、経済波及効果があるなどというのは昭和の幻想だろう。現在の山陽新幹線にある中型駅を見れば簡単にわかることだと思う。
今でも新幹線誘致をしている中国地方日本海側、あるいは札幌からの延伸を望む北海道新幹線次期工事と比べてみても、佐賀県の姿勢は独特なものだ。まあ、生きているうちには博多から長崎まで新幹線で行けるようにはならないだろうなあ。