
昔々、フライドチキン屋で新商品開発のアイデア出しチームにいたことがある。その頃に検討課題に上がっていたのが、長崎の角煮バーガーだった。諸所の理由で開発は見送りになったが、そのときに学んだことは今でも覚えている。
豚の角煮はうまいのでバーガーの具材にするのは良いアイデアだと思ったのだが、コストの壁が高すぎた。ごろっとした肉を煮込むと、実は元の重量から随分と目減りしてしまう。豚肉の中の脂分や水分が流れ出すからだ。チャーシューを自作したことがある人はよくわかると思うが、ごろっとした塊肉を焼いていくとみるみると縮んでしまう。感覚的には半分くらいに縮む。角煮も同じことで、元の肉から比べると随分と歩留まりが悪い。当然、バーガーのパティーのような値段にはならない。
ただ、これは鶏肉でも牛肉でも同じことで、チキンバーガーなどを作るときも同じ縮み現象は起こる。それを回避する方法はあるのだが、そのやり方に関して一応各社とも企業秘密となっているはずだ。一般人が知ると買う気が失せるようなやり口でもあるのだが。

だから、角煮バーガーの本場である長崎でも角煮バーガーのお高い。正直な商売というか、おいしい角煮を挟み込もうとすると、販売価格を上げるしかない。お高いバーガーを売るためなのか、バーガー用のバンズではなく中華料理の花巻のようなもので挟んでいる。これもほんのり甘くてうまい。よく調和が取れた商品だと思う。
ハンバーガー大手の看板商品と比べると、値段は高いが大きさはかなり小さい。実食するとその小ぶりさというか軽さがよくわかる。まあ、見た目より中身で勝負という類の商品なのだ。
この角煮バーガー、気になって商品サイトを調べてみた。なんと、バーガーではなく「角煮まんじゅう」だった。ずっと角煮バーガーと思い込んでいた。店頭でも「まんじゅう」と書いて売っているはずだが、脳内で「まんじゅう」を「バーガー」と自動翻訳していたらしい。思い込みは恐ろしいと反省した。
しかし、食べたらうまいのは間違いので、高くても良いからどこかのファストフード店で販売してくれないかなあ。