食べ物レポート

メジカ横丁

高知県で夏の終わりになると爆発的ブームになるのが「メジカ」だ。メジカとはソーダカツオのことで、その幼生体をシンコとよぶそうだ。メジカのシンコは、身のもちもち感が売り物なのだが、朝釣ったメジカは昼までに食え、昼釣ったメジカは夕方までに食えと言われるほど、身の劣化が激しいのだそうで、現地に行って釣りたてを食べるしかないという「希少な食べ物」になる。高知市内では、この時間制限に間に合わないので食べられない。多くの人がわざわざ中土佐町久礼までメジカを食べにくる。買いに来るのではないようだ。
その釣りたて捌きたてのメジカを買うために、特設販売所が市場の中に設定される。それぞれの小屋は漁師の船ごとで、漁師の奥さんたちが夫の釣ってきた魚を売っている。どの店の魚を選ぶのか、基準はよくわからないが船・小屋ごとに行列ができる。週末ともなれば三時間待ちも当たり前だそうだ。その行列ができる前に写真を撮りに行ったのは朝の9時ごろだが、9時半になると10名くらいの行列が何本もできていた。

メジカのシンコはあまりの行列の凄さに地元の人も買えない、食べられないとのこと。また、地元の人にはなんとか伝手を辿ってメジカを手に入れてくれという依頼、強要、おどし(笑)が引きを切らないそうだ。お盆過ぎからは町を挙げての大騒動らしい。高知市内から来ると、久礼の町までは自動車で一時間くらいだが、中には大阪から来たというツワモノもいるらしい。ネット社会の凄さを知らしめる事例だろう。

メジカはソーダカツオだが、それ以外のカツオ類のシンコもうまいそうで、元漁師の友人がすすめる「もんつき」という符牒で呼ばれるスマカツオを食べてみた。ふむふむと納得したのだが、どうもカツオの食レベルが低いせいで、違いがよくわからない。うまいのはうまいので文句はない。ただ、久礼の町にいるカツオマイスターの舌には遠く及ばないことはよくわかった。

最近度々お世話になっている居酒屋で裏メニューとして出してもらったが、これ以外にも色々と必殺技的裏メニューが多く、居酒屋の店主がニコニコしながら進めてくる「今日のうまいもの」を楽しみにしている。漁師町の居酒屋はなかなかあなどれない「うまいものや」なのでありますよ。

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