
久しぶりに「満洲」に行ったら、つけ麺が登場していた。以前のつけ麺とはちょっとスープが変わったらしい。それと、麺の大盛りが注文できるようになっていた。このチェーンのオペレーションについて、外食各社はよく研究したほうが良いと思う。チェーン店に限らず、ラーメンを中心とした町中華を経営する中小企業も学ぶべき点は多い。
その最大の特徴はメニューを増やさないということだ。季節感を出すために月替わりで登場する期間限定メニューはある。ただ、このメニューが定番化されることはほぼない。それどころか、人気商品であった鳥唐揚げは定番から外し、季節メニューですら登場しない。おそらく、主力商品である餃子とぶつかることが唐揚げ排除の理由だろうが、それ以外にも理由はありそうだ。揚げ物メニューがオペレーションラインを複雑にする。なべふりだけで全てが完結するオペレーションの邪魔なのだ。
餃子を売り物にするチェーン、町中華は多いが、フライヤー、揚げ物を放棄できる店は少ない。大阪発の餃子チェーンは、京都初の餃子チェーンはメニューが無限大に増殖している。福島初のラーメンチェーンは、なぜかそれと同じようにメニューを複雑化して町中華に変容したいようだ。ただでさえ商品の品質がばらついている現状を無視しての暴挙とも言える。
急速に店舗数を増やしている新興ラーメンブランドは、メニューを無駄に増やさない。スープ数種、麺を数種、トッピング5ー6種の順列組み合わせだけでバラエティー感を出している。これが守れるか守れないかが、大チェーンへの関門となるはずなのだ。
だから、季節限定の「つけ麺」を食べてみるとわかるのだが、完成度はあまり高くない。というか本気度が感じられない「なんちゃって商品」だ。だが、このチェーンは時々意図的に「なんちゃって商品」を投入してくる。そもそも季節限定、期間限定商品は圧倒的な固定客への季節のサービス的なものと考えているようだ。週1回のペースで通ってくる常連客に、たまには変わったものも出してますからねとアピールするだけが目的とも言える。
このつけ麺で新しい客を呼び込もうという気配はない。だが、それでいいのだ。チェーン店でありながら地元の固定客を増やす戦略として正しい。経営の軸足は固定客の満足に置かれている。そして、新商品をばらばらと投入する代わりに既存商品の質を上げている。
まあ、そんなことを考えながら「なんちゃってなつけ麺」を食べていたので、文句をつける気もない。また、来年になったら改良版が登場するだろうから、つけ麺は定番にしなくても良いよ。つけ麺なくても、いつものウマ辛菜麺で満足してるしね。