旅をする

福知山から篠山城

福知山駅に降りたのは今回が初めてだった。数年前に青春18きっぷの旅で春の日本海側を旅した時も、山陰本線をこの駅で乗り換えたくらいで駅前の風景を見ることもなかった。今回の目的地は竹田城で、JRの乗り継ぎで行けなくはない。山陰本線で和田山駅に行き、そこから播但線に乗り換え竹田駅で降りる。ただ、これはローカル線の乗り換えという悲しい事情で時間効率がとても悪い。福知山からレンタカーで移動するのが、京都・兵庫北部の山間地を回るのには都合が良い。

駅のホームで気がついたのだが、この駅から京都丹後線で天橋立まで行けるのだった。どうも西国、特に日本海側の地理には疎いので、この辺りの地理感覚が疎かになっているなあ。

ローカル線は大体が1両もしくは2両編成なので前面に連結用の受け口がある。これがなんとも可愛らしいというか愛嬌がある。青春18きっぷの愛用者にとってローカル線の接続駅はとてもお世話になる路線なのだが、福知山は通貨駅でしかなかったと反省した。

福知山駅を外から眺めると予想以上に大きな駅だった。京都丹後線(私鉄)の乗り入れ駅だということもあるし、城崎や宮津(天橋立)といった観光地へ向かう列車の発着がある要衝なのだ。

福知山線にのり大阪方面へ向かうと、篠山口駅で乗り換えになる。ちょっと寄り道をすることにして篠山城を見に行った。篠山は戦国末期、徳川の西国支配に拠点として築かれた。戦国末期以降の築城だけに、いわゆる平城で堀が広い仕様となっている。山の上に築かれた城は廃城になったあと廃墟感があるが、平城は堀と石垣が残っているので巨大建築物という感が残っている。

今では土産物屋が残る大手門前も、当時は大繁華街だったのだろう。強者どもが夢のあと、という寂しい感じがしないのは良いのだが、駅前あたりは意外にさっぱりとしている。今と昔のギャップを感じるのは、お城のある地方都市ではよくあることだ。しかし、丹波国とは山と山の間にある盆地の集合体だったのだと改めて思う。この国が古代から続く先進地帯だったとは今では思いもよらないことだなあ。

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