ひさしぶるに梅田に来たので、懐かしの大阪風握り鮨を食べようと記憶を頼りに「がんこ寿司」を目指した。店の前に辿り着き気がついたのだが、店名に寿司がなくなっている。どうも寿司屋から総合和食屋へ全社あげて転換したらしい。だから、鮨屋だと思っていたら定食も肉料理もなんでもありになっているのだが、それはそれで好ましい変化だ。特に、肉寿司が寿司屋で食べられるのは、かなり嬉しい変化だと思う。
ただ、今回の目的は握り鮨であり、大阪風押し寿司も食べて見たい。だからあまり浮気をするわけにもいかない。腹の容量問題があるからだ。

まず最初に頼んだのは、夏場の関西に来ると必ず食べたくなる「はも」だ。湯引きとか、おとしとか、色々呼び名はあるようだが、丁寧に骨ぎりをした鱧を梅肉で食べるのは、夏限定な無常の喜びだ。ここでは「はもちり」というメニューになっていて、ちょっと混乱したが、ビジュアルも含め美しい商品を堪能した。

ふた品目は「さばたく」にした。さばと沢庵を合せたもので酢の物の変形料理という感じだった。さば好きとしては、これまで食べたことがないことを大いに悔やむ「旨いさば料理」だった。自宅でも簡単に作れそうだし、これだけもう一皿お代わりしたいくらいだった。

ランチの握りは定番のネタだが、たこに甘だれがついているのが嬉しい。シャリはちょっと多めだから、お腹ぺこぺこなヒト向けのお昼ご飯としては最適だ。個人的にはもう少し小さいシャリ玉にしてくれると嬉しいが。ネタも大振りなので、本当にボリューム感あふれるランチ寿司だった。

どうしても追加で食べて見たい「ゲソ」を一貫だけ注文した。タコもそうだが、ゲソにも甘だれが塗られていると旨さが10倍くらいに跳ね上がる(個人的感想です)

この日、午前中ですでに30度越えの猛暑日で、とりあえず冷たいビールも合わせていただくことにしたが、ビールに最適の肴は「暑い日向を歩き回ること」だと改めて確信した。が、あまり頻繁に使えない危険な技でもありますねえ。歩き回るのは程々にして、美味しいお料理をいただきました。