
日高屋で夏に冷麺を売り出したのは、コロナの3年目、ようやく世界が正常化し始めた頃だったように記憶している。メニューの再構成で売り上げ減少、客数減少に対応しようという積極的な発想だったと思いたい。
が、ラーメン屋が冷麺を売るというのはなんとなく腹落ちが悪いなあと思ったものだ。オペレーション的にも、チェーン店で調理法の異なるメインアイテム「麺」をラーメン以外に投入するのは、混乱の原因になるのではないかと危惧していた。ひょっとすると一年で終わってしまう打ち上げ花火みたいなメニューかなとも思っていた。
ところが、夏になるたびにリニューアルして出てくるではないか。今年の冷麺はどうなったのかなと試しに行ったら、なかなか感動してしまった。明らかに「正しい冷麺」に仕上がっている。
初年度のものは、ラーメン屋が解釈した「冷麺的」ヌードルだった。スープと麺の味が決定的に、いわゆる「焼肉屋の冷麺」と異なっていた。今年度版は、スープが濃さを増し、しっかりと麺と絡むようになった。麺もやや太めながら腰のあるツヤツヤしたものになっている。普通に旨い。これであれば冬場でも食べたい。

もう一つ興味があって注文したものが、瓶に入った日本酒だった。もともと日高屋はPBで日本酒を提供していた。それに加えて「ロックで飲む日本酒」という新しいカテゴリーを作ろうとしているようだ。紹興酒を使ったドラゴンハイボールも面白いなと思ったが、このロック酒も夕方からのちょい飲み需要強化の一環だろう。
次代のヒット作を産むには、新製品投入すると必ず起きる多数の失敗作を恐れてはいけない。だいたい新商品の成功率なんて1割程度だろう。そう考えれば、このロック酒もブランドが元気に戻った証拠、チャレンジみたいなものだろうし。
自宅の近くにあった日高屋が閉店したのはコロナの頃だった。なんとか頑張って再出店してくれないかな。ちなみにその跡地は「中国人経営のラーメン店」になった。お値段は日高屋の倍以上になり、味は……………。日高屋、Come Back!! と言いたいです。