古民家を改造して旅館にしたりカフェにしたりするのは良いことだと思う。昔の蔵など作りがしっかりしているものは、現代建築には存在しない陰影の美みたいなものを感じる。立体造形に知見があるわけではないから、全くの印象でしかないが。
ただ、そのようなオシャレ空間でひと時をすごすのは、なんとなく気恥ずかしい。昼飯を食べるなら、おしゃれな古民家カフェより町の中華料理屋や大衆食堂が良いなと思う。

それでもたまにはカフェ飯などという、洒落たものを食べる羽目になる。この時は、カフェの駐車場しか車を止める場所がなく、しばらく車を止めさせてもらったお礼に何か飲み物でもと思ったのだ。

ただ、時間は昼時近くでありながら、店内にいる客は一組だけだった。であれば、食事をしてもすぐ出てくるかなと思い直し、出てくるのが一番早そうなカレーを注文した。

出てきたのは実にオシャレなカフェのカレーだった。小ぶりなサラダがついているのがカフェらしい。そして、出てくるまでの時間は予想より相当に長くかかった。どうやら、カレーは注文が入ってから一つずつ丁寧にこしらえるらしい。学生食堂のカレーのように、大鍋に入ったルーをご飯にかけておしまい、所要時間10秒という世界ではなかった。どうも自分の常識が足りないらしいと反省した。
辛さは控えめだがスパイスの香りがたっぷりするカレーをゆっくりと食べた。これがカフェ時間というものなのだとつくずく感心した。カレーを堪能したところで、いきなり何組も客が入ってきて店内が賑やかになったところで退散した。
やはりカフェに長居をするのは、苦手っぽい。