旅をする

ひさしぶりの関空

搭乗ゲート前は空いている

関空から飛行機に乗るのは10年ぶりくらいだ。あの頃は、関西国際空港というのも名ばかりのガラガラに空いた空港というイメージしかなかった。週末であってもレストランはガラガラ、どの店も席待ちになることなどなかった。それが今ではどの店も待ち行列ができるほどの混雑ぶりで、おまけに客の大半が外国人観光客という盛況だった。感覚的には、東南アジアの大ハブ空港にいるような騒々しさだった。というより、うるさすぎる。空港ロビーがわーんという騒音で満たされている感じがした。確かに「国際空港」という言葉に似合った賑やかさというか、お祭りの縁日的喧騒でありかしましさだ。

関空は人工島なので、本土と島を結ぶ橋がある。それを見たのは初めてだった。これはなかなか見応えのある景色だと思う。台風の大波で空港が水没したという事件を思い出しだが、確かに海面には近い。海沿いにある空港は多いが、この関空は周りが全部海だから、見栄えは良いのだ。

離陸と同時に窓の外を覗いてみたら、これまた綺麗に奈良盆地が見えた。外をいていて気がついたのだが、一度南向きに離陸した後、270度時計回りに旋回して東を目指す。奈良盆地から伊勢湾、愛知県東部を通過して羽田絵向かうのだが、眼下に見えるチケはまさに地図の見たままだった。これはなかなか感動する。

愛知県から静岡県上空に移ったと思った頃からどうも進路が怪しくなってきた。神奈川県三浦半島を越えて羽田空港に向かうと思い込んでいたら、どうもだいぶ南方に変針するらしい。そろそろ富士山が見えるはずと思っていたら、いきなり雲が広がり始めていた。写真中央部にうっすらと見える小さい出っ張りが、どうやら富士山らしい。
おまけにこの後どういう進路になったかというと、だいぶ南に向かいぐるっと回って千葉県南方沖から一旦北上、その後に千葉市南方あたりから羽田に向かうという、地理感覚が混乱するコースだった。

都知事選で東京都内上空を通るコースが不安すぎるのでコース変更させるぞ、みたいなことを言っていた候補がいたが、千葉県民は羽田に飛んで行く飛行機のほぼ全部を引き受けている。東京都民の不安解消のため、千葉県民は我慢しろということだったのだろう。そんな東京都民ファースト主義(?)では落選しても仕方がないのではないか。地方自治とは基本的に隣県との調和を求めない「傲慢な自己都合」が重視されるようだ。どこぞの県知事も、その傲慢ぶりを発揮したまま引退したが。そういう「連中」に限り、自分は県民から選ばれた、と宣うのだがなあ。関空からのフライトコースが特殊なのかもしれないが、千葉県上空でそんなことを考えていた。

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