高知の良い店を教えてもらった

高知市内の居酒屋をさがしまわることは、まずない。高知にある居酒屋の数は見当もつかないが、順番に試していたら死ぬまでかかっても終わりにならないと思う。確かに、高知のうまいものを食べさせる店は多いはずだが、最近では「いつもの店」で良いかなと思っていた。だが、しかし、やはり、良い店を教えてもらうと嬉しい。
高知で仕事先の方といっぱい飲もうということになり、長年使っているお店に連れれ行ってもらった。高知の日本酒がたっぷりと揃っている名店だそうだ。その方の選択で順番に高知の酒を飲む。地域や蔵による差がわかるのは、実にたのしい飲み時間だった。

この日も開店早々に行ったにも関わらずほぼ満席で、お店の人気ぶりがよくわかる。とりあえずのビールから日本酒に移る頃には、次々と高知名物が登場してきた。

刺身盛りは、当然ながら鰹が出てくる。皮がついた鰹は見た目にも美しい。高知風にニンニクスライスで食べると、ああ、今俺はうまいものを食っている……………という孤独のグルメ風な感想が湧いてくる。このレベルの刺身をお江戸で求めるとしたら、それなりの鮨屋でも難しいだろう。割烹などと言われる料理自慢の店ですら難しいかもしれない。それが居酒屋プライスで（居酒屋だから当たり前だが）楽しめるのだから、高知県人は幸せだ。この後も散々に高知名物を堪能して、一次会終了。二次会は餃子、チャーハン、お茶漬けから選んでと言われて、決めたのがお茶漬けの店だった。

ただ、この店は締めのお茶漬けを頼む前にしっかりと酒を飲むらしく、まさに飯付き二次会だった。お茶漬けはこれまた高知名物のじゃこを頼んだが、これはもはや酒の肴ではないかと思う美味さだ。
やはり夜の街歩きはガイドがいた方が楽しいものだと思い知らされた。最近はソロ酒ばかりだったせいか、何やら高知の夜で人情が身に染みたのであります。