旅をする

土佐の港町であれこれ思うこと

高知中西部にある須崎市は日本最後の「カワウソ」目撃地だ。某国営放送の特番でも取り上げられている日本固有種としては絶滅種(多分)扱いなのだが、須崎の人たちは素直にまだ山の中のどこかで生きていると信じているようだ。だから、街のローカルキャラはかわうその「しんじょうくん」で、もう一つの須崎名物である鍋焼きラーメンとコラボしている。
個人的には鍋焼きラーメンファンでもあり、カワウソもなかなか可愛いし、ぜひこのコラボは有名になって欲しい。将来、ジュラシックパ●クのように残されたい原始から再生されるときは、日本カワウソを最初にして欲しいものだ。でも、さいしょは「とき」だろうなあ。

高知といえばカツオで間違いないと思うが、そのカツオを捌くと当然出てくるのが、余剰物でその典型が心臓(ちちこ)だ。よく煮物にしたりして再利用されている。心臓だけあり筋肉の塊だから、食べるとそれなりに固い。血の匂いも残るので、なかなか料理素材としては難しいらしい。
その父娘をアヒージョにしてみたもの(試作品)を食べさせてもらった。砂肝的な旨さがある。高知名物のニラとの組み合わせが良かった。これは追加でニラをどんどん入れて「ニラ油鍋」的に食べると旨そうな気もする。改良作に期待しよう。

もういちごの季節は終わりだと思っていたら、7月上旬くらいまでは栽培されているそうで、道の駅で発見した「くろしおいちご」は大変おいしいものだった。最近の銘柄いちごは選別された大型の粒だけが店頭に並ぶので些か不満に思っている。
小粒のイチゴを食べると酸味の強い旨さがある。大粒イチゴの甘さ重視とは違う楽しみ方だ。そもそも果物などは無選別でとれたものを片っ端から食べるのが一番甘いのではないかと思うのだが。

いつもの魚屋大将おすすめ刺しもりでランチにした。最近はこちらの胃袋のサイズを理解してくれたようで、二人でちょうどの料理してくれる。最初の頃は昼から刺身5人盛りみたいな量が出てきて目を白黒させながら完食するのに必死だった。丼飯を合わせると、本日の食事はこれで終了というほど食べてしまった。
このカツオを食べると、自宅でカツオを食べられなくなるのが難点だ。旨すぎるものになれると、人間は不幸になる。

たまたま港に行ったら朝帰ってきたカツオ船が水揚げしていた。鰹の群れ2度のタイミングで当たるかで帰港の時間が変わるのだそうだ。日戻り鰹と言われる通り、夜出て朝帰ってくるとか、朝出て夕方には帰ってくるということが多いようだ。昔の遠洋漁業のように、一度出航したら帰るのは半年後みたいな釣り方ではないとのこと。漁師も定時出勤の時代なのだな。

漁港を見下ろす高台に立っているのは高級旅館で、人気がありすぎて予約を取るのも難しい。海水の露天風呂があるが、それに入ると皮膚のガサガサが治る。海の水は偉大だ。
建物に丸三つに一文字という紋があり、毛利氏と何か関係があるのかと思って調べたら、毛利氏の家紋は一文字に丸三つ、つまり上下逆さまだった。こちらの紋は渡辺氏だそうだ。(酒呑童子退治で有名な方の子孫)
土佐港町、久礼ににどういう関係があるのかは知らない。今度聞いてみることにしよう。

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