
知る人ぞ知る、高知の有名人、田中鮮魚店大将の等身大?パネルが高知空港の土産物店前に立っている。本人談によると、おそらく日本で一番鰹のタタキを焼いた男とのことだ。それは間違いないと思う。店に行き大将に会いに行ってもたいていは「裏で鰹焼いちょる」と言われる。わら焼きの煙に巻かれて黙々と鰹のタタキを作っていることが多い。
ミスタ・タタキ・オブ・コーチという称号を進呈しても良いのではないか。ただ、この立体パネルだけ見ると、カツオを両手に抱えた変なおっちゃんが立っているだけなので、せめて動物園の檻の前に必ずおかれている「動物の説明書き」程度は書いて欲しいものだ。たとえば、
「高知県中西部、中土佐町久礼に生息するヒト族土佐異種。鰹の捌きと炎熱加工に特化した技能を有し、カツオを捌かないとショック症状、禁断症状を起こす。製造したカツオ叩きはすでに10万本を超え世界記録(推定)を日々更新中」
くらいのことは書いてもらいたいものだ。
ちなみにこのおっちゃんの店のたたきは、航空券代を払ってもお釣りが来るくらいの満足度がある、高知の隠れ名所だ。(多分)

同じ高知空港にある食堂で販売されているかつおのユッケ丼は、これまた田中のおっちゃんの盟友が作っている。絶品の旨さだ。これを食べると、魚に対する認識が変わる。ただ、土佐のカツオ食い名人たちは、それでもカツオは生がうまいと言い張るに違いないが、うまい鰹ばかり食べているとそんな意固地なオヤジになってしまうらしい。
ただ、カツオ食い名人たちも裏ではこっそり「うまい、うまい」と言って食べているらしい。このユッケ丼を食べて初めて気がつくことだが、鰹とごま油がとても合う。これは驚天動地の発見だと思うのだが、我が尊敬する高知のカツオ料理名人は「うみゃーかー?」と言ってひそやかに微笑むだけなのだ。
高知空港で開催されている、高知県中土佐町のうまいものキャンペーンはもう直ぐ終わってしまうらしいが、一度は遊びに行ってよ、高知。一度は久礼でカツオを食べてよね、人生変わるから。
などと高知県観光特使として宣伝してしまいます。