旅をする

コナンと鬼太郎

鳥取空港に来たのは初めてだった。なんとなく来たことがあるような気になっていたが、どうも勘違いで記憶違いだったようだ。実際に行ったことがあるのは米子鬼太郎空港だったのだ。アニメキャラの名前がついた空港だから米子と鳥取を混同していたようだ。
中国地方の空港は二つ名持ちが多い。いや中国地方に限らず、地方空港の多くが二つな持ちでイメージアップを図っているように見える。
この「鳥取砂丘コナン空港」は砂丘とコナンくんのWネームだからなおすごい。ちなみに県西部には「米子鬼太郎空港」がある。人口が60万人の鳥取県に二つも空港があるのだから人口比で考えれば、首都東京をはるかに凌ぐ。お隣の島根県には「出雲縁結び空港」があるが、ここも米子空港とは距離で50kmほどしかはなれていない。県境を挟んでるとは言え驚くべき近さだ。羽田空港と米軍横田基地(空港)みたいな関係だ。
島根県西部にも鳥取県と同じように、第二の空港「萩・石見空港」がある。ここは島根県に位置するが、空港名に萩がついているのがおかしい。つまり、萩は地名ではなく(笑)二つ名としての扱いなのだ。清水の次郎長のように地名がふたつな扱いになっている。「萩の石見」空港という感じだろうか。この場合の萩は地名ではなく花の名前なのかもしれない。まあ、山口県出身の政治家(誰とは言わないが)が空港誘致に活躍したことが明らかにわかる「お名前」だ。
広島県と山口県では広島空港、山口宇部空港が二つ名無し。新人の岩国錦帯橋空港は米軍基地との共用だが、東京に行くなら新幹線より飛行機が速いと言うのが売り物らしい。実際には観光路線として東京から人が来てほしいと言うことなのかもしれない。錦帯橋は飛行機で行っても見る価値がある名所だし。


瀬戸内海側では「岡山桃太郎空港」がある。瀬戸内海を挟んだ四国では、松山・高松が二つ名無し。松山坊ちゃん空港と書いてほしい気もする。高松は、一択で高松うどん空港だ。讃岐は空海の聖地だから、そちらを使うと言うことも考えれれるが、日本中の仏教関係者を敵にまわしそうな気もする。
「徳島阿波おどり空港」と「高知龍馬空港」はそれぞれ県を代表するビッグネームだ。どうやら、人口が少ない県ほど空港が二つ名持ちになるらしい。

さて、砂丘コナン空港だが空港ビル内はコナン展示館にもなっている。これをお目当てに来るファンも多いに違いないという精緻な作りだった。すごいぞ、鳥取県と言いたい。ネーミングライツの正しい使い方であり、まさに見習うべき見本だなあ。

空港ビル自体は最近改装したようで、施設もオシャレ感満載、地方空港にありがちな寂れた風情はかけらもない。都会的でハイセンスだ。羽田空港の猥雑さなどと比べると清々しささえ感じる。

滑走路の向こうは日本海が見える。海沿いの空港は展望デッキに上がって景色を楽しむのが良い。海岸線と水平線、その手前に人類が作った最大規模の乗り物が置かれている。自然と人工の対比としては素晴らしいものではないか、といつも思うのだ。
特に日本海側にある空港は西陽が指している時間、陽が落ちる直前あたりが美しい。天気の良い日には空港に遊びに行く人がいるそうだが、まさに、この砂丘コナン空港はそんな人のためにある空港だなあと思った次第。駅からバスで20分程度だから、鳥取の人にとっては使い勝手が良いだろうし。

コメントを残す