
松江駅で出雲大社風アレンジの猫に出迎えられる。このご当地キャラも業界内では相当有名になっているとは思うのだが、最近のアニメキャラ風イケメン、美少女なキャラが新興勢力として全国各地で増殖中だから、そろそろリニューアルか二代目が出現しそうだなと感じる。
ロングライフキャラとしては、やはりサンリオブランドの猫少女くらいに頑張って欲しいモノだが。などと考えつつ、駅内にある蕎麦屋を目指した。

改築前の松江駅にあった蕎麦屋(確かあったはず)を使った記憶はない。遠い昔に松江城の近くのどこかで蕎麦屋に入ったが、薄ぼんやりとしかおぼてていない。今回は事前に予習をしてきたので、正しい出雲そばの食べ方はわかっている。頼むのは冷たい割子そば、一点張りで決めてきた。
おまけにトッピングだの天ぷらだのは一切注文しないストロングスタイルにする。蕎麦自体を楽しむのだと、ずいぶん気合を入れてきた。

3段に重ねられた蕎麦に、薬味を少しずつ入れてい食べる。一段食べたあと、残った蕎麦つゆと薬味を二段目に注ぎ、足りなければつゆを足す。これを三段目にも繰り返す。出雲そばの食べ方だそうだ。そばは腰がありつるっと喉を通っていく。うまいなあ。
全国あちこちの名物蕎麦を食べる機会があったが、個人的な好みで言えばこの出雲で食べる割子蕎麦と出石そばが気に入っている。
岩手のわんこそばは一度だけ挑戦した。あれはあれで楽しいが、いささか気忙しい。目標にしていた50杯に到達してギブアップしたが、蕎麦を食べた満足感より目標枚数を食べ切ったことで達成感を覚えるという変則的な蕎麦ライフだった。
信州そばでは山の中にある一軒家蕎麦屋をたまに使っていた。セイロ蕎麦を注文すると2回に分けて出してくれる。そばが伸びないようにという配慮だ。これが素晴らしい店なのだが、酢当然ながら週末であれば2時間待ちもある混雑ぶりだった。
蕎麦屋はラーメン屋と比べて敷居が高い高級店も多いが、そこは店を選んで使えば良いと思う。カツ丼がセットで出てくる大衆店も、蕎麦切りを楽しみながらノリをつまみにゆったり酒を飲む店も、どちらも楽しい。
食べ終わったら、他の出雲そばの店をもう1軒、2軒いってみたくなった。うまいそばの吸引力はなかなか強力なのだ。

その後、列車移動の待ち時間を使って駅ナカで2軒目の店に入った。そこも出雲そば推しだったが、流石に居酒屋でそば連チャンはきつい。なので、大山ドリの鉄板焼きなるモノを注文した。昼からこんなに肉を食べて良いかと思うほどのボリュームだが、意外とあっさり腹の中に収まってしまった。確かにうまい鳥は、シンプルな料理ほどうまい。塩胡椒で焼いただけという鳥が、あっさりした蕎麦の後にはよくあっていた。
大山は鳥取名物だと思っていたが、地図を見れば島根鳥取の境目あたりにあるから、大山ドリを松江で楽しむのは当たり前なのだ。うまい蕎麦とうまい鳥、良い街だなあ。