
高知駅で見つけた、もう一つのアン◯ンマン列車のボディーカラーは黄色だった。善良なる悪役(笑)二人がメインビジュアルで、これは子供向けというより、玄人な大人向け設定なのかもしれない、

個人的にはこちらのカラーリングの方が好みだ。黄色は、やはり子供の色だ。ひまわりにたんぽぽ、菜の花とくれば子供が最初に覚える花の名前ではないか。黄色は、きっと本能に刻み込まれた太陽の色、つまり暖かさと安寧を約束する(はず?)色に違いない。不浄な大人には眩しすぎる。

そんなキャラ電車に乗って高知から岡山を目指す四国北上コースの途中に、大昔の難所である「大歩危」駅に停車する。四国山地の真ん中あたりで急傾斜の崖が続く川沿いにある。川沿いというか山と山の間に開いた深い谷沿いに鉄道と道路が伸びている。
漢字の名前通り歩くと危ない場所だったのだろう。大歩危と小歩危があるのだから、危険度も大小あったと言うことか。
日本海側にある、親知らず子知らずも似たようなネーミングだが、あれは親子二人で旅すると危険だぞ程度の警告。こちらの方は「大量人数」に対する危険度設定みたいな気がする。ここを歩くと、大抵はひどい目に遭うのだよ、と言う名付けだ。平安時代でも高知に行くのは海路だったのは、この危険地帯のせいだったのだなと納得する。それを今や快適な車両に乗り、高みから見物できる時代なのだ。人類の進歩はすごいぞ、と改めて感慨にふける。
この駅の横に、山に張り付くように民家が見える。日本のマチュピチュだなといつも思う。そして、毎日この急斜面を降りたり登ったりしながら暮らすのは本当に大変だろうなと感心してしまう。
日本のあちこちにこのような斜面に家が並び立つ場所はあるのだろうが、やはり民家の密集度が高いと、なぜこんなところにくっついて家を建てたのかとあれこれ想像してしまう。周りに平地がないというのが最大の理由なのだろうが、それ以外にも何か思惑があったりするのだろうか。
例えば、関所があってその周りの村人は関所破りを防ぐように山の上に強制的に住まわされた、みたいな人為的な理由がありそうだ。箱根の関所はそうだったらしい。四国の山奥であれば、平家の落人みたいな話もありそうだ。

山形県を横断する、山形から酒田に抜ける自動車専用道路にも、このような山の斜面にへばりついた集落がある。車を止めてゆっくりとみてみたいと思うのだが、自動車専用道路のため駐停車ができない。おそらく一般道を使って行く経路があるはずだが、わざわざそれを探していくほどの気力もないので、ずっと放りっぱなしになっている。あそこも確かにマチュピチュっぽかった。
土讃線は高知駅を出てすぐに山になり、阿波池田の近くでちょっとだけひらけた場所になる以外はともかく山の中を走るし、トンネルだらけなので車窓の変化を楽しむには不向きだ。
まあ、それを言えば四国の鉄道のほとんどが山の中を走っている。瀬戸内海沿いの沿岸部を走っているような路線ですら、大半の行程は山の中なので、四国の鉄道旅で最大の楽しみは寝ることになる。おやまあ的な結論だが、ディーゼル列車の振動に身を委ねて寝るのがおすすめという、大変珍しい路線ばかりなので。

海沿いを走っているように見えるが実際は山の中ばかり
四国の鉄道、ほぼ全面制覇した結果の感想であります。