旅をする

みやげもの 雑感

因幡の白兎という言葉は、もちろんよく知っている。お話もうろ覚えだが、だいたい覚えている。その有名な昔話をそのまま商品名にしたものが、鳥取県の土産物で王者らしい。あちこちの土産物売り場で、この日本一という黄色い紙を見かけた。ある意味ブランドアイデンティティーが出来上がっている。
フランス製の高級アパレルブランド的なBIがなされているのだ。中身の味はどうあれ、これはすごいことだ。営業職の人たちは、相当頑張って売り場の見栄えを同一にすることにこだわっていると思われる。ご苦労なことだ、頭が下がるなあ。ちなみに因幡の白兎だが、出雲でも売られていた。鳥取と島根は合わせて一つの経済圏?という思想が観光業界にはあるようだ。
いや、ウサギを助けた神様がいるからという関連性なのかもしれない。だとすると、少し目線が上から………いや、優しい神さまの思し召しだろう。

もう一つ目立っていたのが、この風呂敷で包まれた菓子だった。名前もすごいが、売り方もすごい。大量に山積みにされていてグイグイ視界の中に迫ってくる。
おまけに、この大風呂敷(大)のほかに小サイズもあり、それが相似形のデザインをしている。大風呂敷(小)だなと思いついて、吹き出してしまった。小風呂敷では商品名にならないしなあ。
お土産といえばついつい大型(5個10個と入っている)で販売しがちだが、最近は家族も少人数、あるいは自分一人で生きているソロライフな客も多いのだから、数が多いと言うだけで敬遠される。自分のようなソロ旅をするヘビートラベラーにとっては、箱が大きいというだけで購入の選択肢から外れる。
だから、小サイズ(1ー2個入り)は売れ筋になるはずだが、なぜか土産物メーカー、土産物販売店はバラ売りの手間を嫌うようだ。その点、この大風呂敷(小型版)は実によく考えられている。

ちなみに、山積みの大風呂敷陳列の脇に、風呂敷の中身を見せてくれるサンプルがあった。これも実にわかりやすい。良いなあ、と思って眺めていたら、どこかで見たような記憶がある。思い出したのは甲府の信玄餅だった。
ただし、こちらは黒蜜ではなく「梨みつ」だそうだ。うーん、土産物業界の平行進化とみるべきか、それともインスパイアー系とみるべきか。ちょっと微妙な感じもするが。どちらかが元祖で、どちらかが改良進化版なのだろう。甲府と鳥取、両方を旅しないとわからないことではあるから、まあ、どうでも良いのだが。萩の月と、なんちゃらカスターみたいなものだ。
しかし、この売り方・見せ方は、やはりすごい。全国の土産物メーカー、販売店は鳥取に学ぶべきではないか(ちなみに島根でも似たような景色はある)と思った次第。東京駅や新大阪駅では見られない、豪華一点張りの世界でありました。

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