食べ物レポート

ラーメン屋のチャーハン

札幌駅周辺でラーメンを食べようとすると、この時期は意外と大変だ。札幌駅の改修工事に伴い駅近の施設が一斉に閉まっているため「飲食店不足」が発生している。それに便乗したかのように、普通のラーメンが1000円越えになってしまった。
大通り周辺の繁華街に残るラーメン店は、何とか1000円の壁を超えないように頑張っているが、札幌駅周りの店は2030年くらいまで続く無競争状態を利用して、ぼったくりをするつもりらしい。
そんな環境でありながら、老舗のラーメン店は極端な値上げもせずに相変わらずの人気ぶりだった。この店のラーメンは自分好みのもので毎回利用しているのだが、ずっと気になっていた「チャーハン」を食べてみることにした。
確かに、この店の客の何割かはラーメンではなくチャーハンを注文している。サイドアイテムとしての半チャーハンが人気ということではなく、フルメニューの「チャーハン」が人気なのだ。

世の常識的な丸い小山のチャーハンをイメージしていたのだが、全く違うルックスで登場してきた。紅生姜の赤が鮮烈だが、見た目は極々普通だった。ただ、よくみると飯粒が油ぎっていない。油でベタついた感じはしない、サラッとした感じに見える。
食べてみたら、口の中で米粒がハラリと広がる。油に塗れた米団子を食べるような感じではない。舌触りもサラッとしているし、塩味も控えめだ。なるほど、これを単品注文する客が多いのが理解できる。
ただし、当然のことながら食べ続けると、味の単調さに飽きがくる。チャーハンの難しいのは最初の一口と最後の一口まで同じ味であることだ。つまり、舌の興奮状態が続かない。ラーメンと半チャーハンが人気なのは、互い違いに食べることで味変をして、炒飯の単調さを補うことにある。というのであれば、チャーハン単品を食べるとき、どういう味変で凌ぐか?という方法を編み出す必要がある。。ただし、体には良くない禁断の術だ。

チャーハンを半分くらいまでワシワシと一気喰いする。ドカ食いする。そして、腹の満腹中枢が働き始める前に、ビールを注文し軽く飲む。アルコールが胃を刺激するのを期待するわけではない。ここで気分を変えて、チャーハンをつまみにビールを飲むモードにする。気持ちの切り替えだ。
意外とチャーハンは酒のつまみとしてよくできている。適度な油分と塩気がある。少量ずつスプーンで掬って食べる。舌がチャーハンの味にだれてきたらぐびっとビールで押し流す。舌がリフレッシュされたら、また炒飯味を楽しむ。あとはこのループを延々繰り返すのだ。

他人様にお勧めできるやり方ではないが、怠惰な午後を過ごしても良いと思うときには、チャーハンとビール、意外と楽しい。ただし、食後はとてつもない眠気に襲われるのも間違いない。「混ぜたら危険」な炒飯&ビールランチであります。

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