食べ物レポート

カツカレー あれこれ

ここしばらくカツカレーを連続で食べた。それに深い意味はないが、時々カツカレーが無性に食べたくなる。学生時代の刷り込みでカツカレー=ご馳走という脳内方程式がある。だから、ちょっと疲れたなと思った時の飯は、あるいはちょっと頑張った後の飯は、カツカレーになることが多い。ほぼパブロフの犬状態だ。

自宅近くの洋食屋 サン のカツカレー とても普通でボリュームタップリ

見た目からして、これぞカツカレーというのが、自宅近くの洋食屋で食べるカツカレーだ。ルーがドロドロ系なので、最近のスパイス系カレーとは全く別物だ。ファストフード各社が提供する、さらりとスパイシーみたいなカレーとは全く別料理と言っても良い。
カツの肉は薄めだが、カツカレーの大事なポイントは「厚い衣」にある(きっぱり)と思う。その厚い衣をハフハフ言いながらカレーのルーで味をつけ食べるのが好きなのだ。中の肉はすでに痕跡程度の薄さでも文句はない。いや、確かに肉はおまけだ。
衣が十分に厚いと、カレールーに合わせて追いソースをかける。これが、何とも絶妙にうまい。カレーには追いソース派が多いようだが、カツカレーに関しては全面同意する。

新宿 はやしや 芸術的カツカレー

新宿にある馴染みの洋食屋では、カレーが少しスタイリッシュというかスープ的ななめらかさらさら系になる。カツは別添えという感じになるので、このカツをルーの海の中に投入して食べる。これが美味い。
カツカレーのライス抜きというメニューを仙台の居酒屋で見つけた時、何とこれを今まで知らずに人生を送ってしまったとは……………とものすごく残念に思った記憶がある。それくらい、カレーのルーとカツのペアは相性が良い。酒の肴ランキンで少なくともベスト5に入れたい。この店でもぜひカツカレーライス抜きを出してもらいたいものだ。
この店はレストランというか洋食堂でありながら、酒の肴になるメニューが多すぎるのが困りものだ(嬉しい)。イチオシはオムライスなのだが、2番目がカツカレー、3番目がミックスピザだ。昼の一人酒をやるには最強の食堂だ。もしライス抜きカツカレーで酒を飲むなら、冷たい日本酒が良い。二品目、三品目の魚も待ち構えている。野球で言えば先発、中継ぎ、ストッパーの完全チームが組まれている。しかし、それはまさに禁断の組み合わせ、飲み過ぎ決定の地獄コースだな。

ゴリラーマークのカレーが美味い 5・5!

ドロドロ系カレーの代表といえば、金沢発祥のカレー屋に間違いない。神田界隈のオシャレ系カレーとは質が違う。世界が異なる。雑居ビルの地下とか、飲み屋ビルの2階とか、こんなところに飯屋を作って大丈夫かという場所に店がある。
ただ、熱烈な信者がいるので不便な場所であっても通い詰める客がいるようだ。今まで行った店はでは、どんな不便な場所であっても昼時は待たされる。行列ができている。ある意味中毒性が高いカレーなのだろうと思う。
トレードマークはキャベツの千切りだがこれに福神漬けをのせると、カレーと合わせて「無限メニュー」になる。カレー→キャベツ→福神漬け→カレーの無限ループが完成する。
この店の基本トッピングはカツだが、他にも選択肢は多い。ただ、やはり定番の薄め(肉も衣も薄い)カツが良いようだ。それをおかずとして酒を飲む、という暴挙を試みるのも悪くはない。

この店は酒飲みには優しくないが、ビールを清涼飲料水のように飲むことを勧めているらしい。出てくるのが缶ビールという割り切りもすごいが(ちなみにガストもそうだった)、実はこれにとても感謝だった。
アサヒの生ジョッキ感は二度ほど買って試してみたが、そのありがたみが全くわからなかった。泡がうまく立たないせいなのだが、どうやら冷却しておくことと静止状態に置いておくことが、良い泡の発生条件らしい。今までは、スーパーで買ったものをブンブンふり回して持っていったキャンプ場で飲んだため、泡の発生が不適切だったようだ。
今回は、これぞまさに神泡という仕上がりで、確かにこいつは美味い。カレーを食べに来て違うこと、有益な人生の知恵を学べるのは一石二鳥と喜んでもいいだろう。

カレー天国日本は良いところだなあとしみじみ思う。ちなみにハワイでは日系人が伝えて変形、進化した現地的カレーがある。小さな食堂などでカレーを見つけたら食べてみると良いが、あれはほとんど別物、ハワイアンカレーなるものに進化しているので、違う意味で感動する。カツはローカルでもkatsuと書いてあったりします。Chicken “Katsu” curry みたいな感じですねえ。

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