
移動の途中で広島に立ち寄った。夜はお好み焼きを食べようよ決めていたのだが、かの有名なお好み焼きビルですら、半分くらいのお店が夜営業をしていなかった。あるいは早仕舞いをするようだ。
開いている店でも半分くらいの席が外国人観光客に占拠されていたり、予約で入店お断りになっていたりする。今日はもう追加の客は入れないと言われたり、今から締めますと断られたりで、なんとも残念なことになった。
おそらく、街のあちこちにお好み焼き屋はあるのだろうが、それを探す気力も無くなってしまった。それでは、広島名物こいわしでも食べようと居酒屋を探したのだが、お目当ての店はなんと休日で、その次の店も休みだった。ついていない一夜だ。
そこで自分の眼力を信じて、どこかの店に飛び込みで入ろうとしていたら、一軒のチェーン居酒屋に気がついた。
チェーン店でも居酒屋では地元の食材を提供することは多い。これはひょっとすると、こいわしがあるかもしれないと期待して入ったのだが。結果は、アウトだった。うーん、期待のしすぎというべきだろう。
お江戸で軽く飲む居酒屋としてはよく使う店だった。良い店だと思うし、回転寿司チェーンにとっては良いコンセプトだろうと思う。が、ローカル対応は全くしていなかった。チェーン理論としては全店同一メニューが正しいのだが、個人的には残念ということだ。
この時期は、まだ春カツオには早いはずだがなぜかカツオ推しメニューで、それはそれで美味いのだがなんとも季節感が伴わない。確かに秋から冬にかけて獲れる脂の乗った戻りカツオはうまい。ただ、年も明けたこの時期に戻りカツオって??という素朴な疑問には全く答えてくれそうもない。本社の意向というやつだ。食べてみれば美味かったのでカツオ好きとしては文句ないけど。

なぜ広島でと言いたいが、一番喜んだのがボール型ポテトサラダだった。見た目は一回り小さいテニスボールくらいだ。周りにびっしりと青のりがついている。見た目は苔玉みたいだ。

従業員のお兄さんに言われるまま、スプーンでボールを割ってみた。中からゆで卵が出てきた。これは、すごいなあ。座布団一枚あげてくれ、という感じだった。ありきたりのポテトサラダがひと工夫でビジュアル的にグラマラスな商品に変身する。開発者、偉いぞ、と褒め称えよう。

普段はあまり頼むことのない天ぷらだが、この時は筍フェアーだというので頼んでみた。塩で食べるのがおすすめだったが、一緒についてきたバジルソースが抜群に天ぷら向きだった。これも開発者を賞賛するべき傑作だった。
地元のうまいものには出会えなかったが、お江戸的見栄えの良い食べ物や変わり味の食べ物に出会えたからよしとしよう。
食べ損ねたお好み焼きについては、仕方がないから銀座にある広島アンテナショップで敵討ちをすることに決めた。広島の仇を江戸で取ると…………


