旅をする

カツオの町であれやこれやを思う

いつものカツオの町で、いつもの魚屋さん直営昼飯屋で切り立ての刺身で丼飯を食らうことになった。この店の注文システムは簡単で、まず魚売り場で食べたい魚、刺身を選ぶ。当然お目当ての一品は、その日の朝セリにかかった新鮮なカツオだ。その日の気分で叩きにするか、刺身にするかを選ぶ。カツオ以外にも、その日のおすすめ魚が刺身になっている。我が好物のウツボのたたきも並んでいる。
あとは、丼飯と味噌汁のセットを頼み食券(魚の番号)をもらう。名前を呼ばれたら、魚屋向かいの食堂に入り席につき、ご飯券と魚券を渡す。丼飯が来たら、ガツガツと食べる。満腹になり大満足する。以上だ。

この刺身売り場の横に、カツオの刺身製造における副産物、ちちこ(心臓)とはらんぼ(下腹部下の皮身)も売られている。どちらも焼いて食べると美味い。普通の魚屋には流通しないものだが、大量に鰹を捌いている店だけに、ちちこもハランボ新鮮なまま手にはいる。焼いて食べると美味い。間違いなく珍味だ。多分、この魚屋食堂の常連になれば、頼めば焼いてくれると思う。ただ、この量を一人二人で食べるのはなかなかしんどいだろうなあ。

今回のカツオは刺身だった。ちなみに魚を選んでくれたのは地元の友人で、刺身のコンビネーションは全くのおまかせだ。魚の名前も聞いたが、覚えきれない。地元の魚であることは確かだ。この店でアジとか鯖といった、一般的な魚の刺身を食べた記憶はないのだが、あえて友人がそういう普通の魚を選んでいないのかもしれない。この辺り、おまかせきりで怠慢の極みだと反省している。
食堂の待ち時間の間に魚を見ていたらオナガダイが並んでいたことがあった。次回はそれがあるか聞いてみよう。オナガダイはとても美味い魚だと、和歌山の漁師と知り合いになった時に教えてもらった。一、二度食べた記憶はあるのだが、味をさっぱり覚えていない。

次の日、朝イチのセリに連れて行ってもらった。魚のプロたちが十人くらい集まってカツオの前でゴニョゴニョ言っている。よくテレビで見かける威勢の良い大声での値付けがあるのかと思っていたから、なんとも拍子抜けしてしまった。
大きいカツオは一匹単位でせりをするらしい。10kgのカツオから、刺身は5kgくらい取れる。高知のカツオ刺身一人前は100-120gらしい。だからこの1匹がおよそ40-50人前になるようだ。

小ぶりのものは一匹ではなく箱売りになる。同重量のものが5-10匹程度カゴに入った状態でセリになる。この日はセリ値が高いとのことで、友人は入札しなかった。確かに値札がついているわけではないので、その日の参加者がどう考えているか、思惑で値段が決まる。

魚市場の裏に停めてあるカツオ船の横に行き、船の様子を説明してもらった。友人はカツオ船で一本釣りをしていた元・漁師でカツオのプロだから説明が細かく丁寧だ。話を聞けば聞くほど、別世界の感じがする。ただ、今では早朝に船を出して、早ければ夜には帰ってくる近海漁業に徹しているので、それだから釣りたてのカツオがセリに出るのだそうだ。
美味い鰹を食べるには、やはりこのカツオの町、中土佐町久礼に来るしかないのだなあと改めて思い知った。

コメントを残す