
高知県高知市、繁華街の端っこの方にある蒲鉾屋を見つけた。お店の前がやたら活気があるので気がついたのだが、店頭に並ぶ商品を眺めていたら、なんだか不思議な気分になってきた。
この店はかまぼこ屋と看板に書いてある。かまぼこといえば白くて板の上に乗っている魚のすり身製品だ。厚めに切ってわさび醤油で食べると極上な肴になる。ただ、蒲鉾屋では魚の練り製品を販売する以上、主力は蒲鉾よりもすり身の揚げ物ということは理解できる。いわゆる、さつま揚げやじゃこ天のようなお手軽お惣菜系食品だ。

ところが、この蒲鉾屋で店舗の前面にグイグイと押し出しているのが、なんとアジフライに代表されるフライグループだった。魚の揚げ物だからかまぼこ屋としてはギリギリの線かあ、仕方がないよなあ、と思ってみていたら、コロッケだの鳥唐揚げだのお惣菜人気商品が勢揃いしていた。

カキフライの横にはミンチボールなる珍品が並んでいた。どうもメンチカツの中身を小型ボール状にして揚げたものらしい。とりあえず買ってみた。食べてみると、これはなかなかに美味い。なぜ、世の中の惣菜屋でこれ(あるいは類似品)を売っていないのだろうかと、実に不思議になるほどの名品だった。メンチカツを揚げる方が手間が少ないということだろうか。でも、これはコロンブスの卵的な商品なのではないか。
売っているところがかまぼこ屋だとしても……………うまいものはうまい。

さらに驚いたというか笑ってしまったのが、イカの足とイカゲソ(小)が別物として売られていることだ。イカ好きとしては、両方試してみなければと、これまた一つずつ買い込んでしまった。個人的にはいかの足がお買い得だと思う。

あれこれ買いたいものが並んでいるが、一人で食べるのだから注文しすぎてはいけない。それでも、気になるものはある。例えば、このキクラゲの天ぷらだ。キクラゲを揚げて食べるのかと驚いた。だが、何やらうまそうな気がする。
初見ではあるから、これは注文するしかないか。などと、自分にあれこれ言い訳をしながら結局は揚げ物を三人前ほどの量で買い込んでしまい、今日の晩飯はホテルで揚げ物パーティーにしようと諦めた。
このあと、コンビニに行って各種調味料も調達したのはいうまでもない。高知の魅力的な蒲鉾屋にドハマリしてしまったが、後悔はない。(きっぱり)
やはり高知は良いところだ。