食べ物レポート

たいのらーめん

高知市内の繁華街にある一軒の店がずっと気になっていた。一見しただけだと、まるでおしゃれなコンセプトショップ、流行りの雑貨屋的な外観だが、歴としたラーメン屋だ。
おまけに、なぜ高知でカツオではなくタイのラーメンなのだと、何年も悶々としていた。なゆたという名前も気になる。おそらく、「那由多」のひらがな読みなのだろう。那由多は仏教用語が源のとてつもなく大きい数字を意味している。味わいがとてつもなく複雑で……………みたいな意味合いを持たせているのかもしれないが。

店頭には大きなメニューボードが出されている。これを眺めれば、店内で何が食べられるかすぐに分かる親切設計だ。鯛でとった出汁がスープベースらしい。塩味推しでもあるようだ。おそらく端正なスープだろうと予測できるが、それをつけ麺にするというのもすごい。

たまたま、店の前にいた時に中から数組の客が出てきた。つまり、席が空いたということだ。ちょっと腹が減っていたせいもあり、ついふらふらと入ってしまった。券売機で食券を買うシステムだったが、鯛塩ラーメンのボタンが大きくなっているので、迷わず「看板商品」を頼んだ。余分な追加は無しで、ラーメンと対決する(エヘンエヘン)
スープは予想通りの澄んだもので味は淡麗なものだった。昨今のラーメン業界では珍しい。鳥スープですらぐつぐつ煮込んで白湯にするのが現在のはやりだ。ストレートな中太麺がよくあっている。
そして感嘆するべきは、チャーシューの仕上がりだった。豚肉特有の臭みはキレイに消されている。タイのスープと喧嘩をしないバランスの良さだ。すごい食べ物に出会った気がする。しかし、相変わらず疑問は解消されない。なぜ、高知で鯛?
次はつけ麺を食べに行かなければなあ。

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