食べ物レポート

フィッシュマーケット争奪戦

岡山の飲屋街はどこにあるのかよくわからないのだが、おそらく駅前の高島屋裏あたりがそうなっているようで、昼のうちにうろうろしてみた。そこで発見したのが、四国では瀬戸内の反対側にある高知の有名店だった。
瀬戸内海ではカツオは取れないだろうから、高知からわざわざ運んできているのだろう。ただ、高知から岡山までは高速道路を使えば3時間程度。魚市場で朝のセリで購入したカツオを上手に運べば昼までには到着する。高知市内で食べるカツオと同タイミングで岡山でも売ることができるのだから、鮮度は問題にならない。これが大阪以東や広島以西になれば配送時間が問題になるかもしれないが、岡山であれば高知県内と変わらないはずだ。
ただ、瀬戸内の海は魚種も豊富だし、個人的には日本で一番魚の旨い地域だと思っているので、そんな場所でわざわざ黒潮の魚が売れるのだろうかという気にもなる。

その後、岡山駅横にある大きなイオンに行ってレストラン街を視察していたら、なんとまたもやカツオの専門店を発見した。こちらは鰹のタタキ定食が中心のようだが、メニューを見る限りカツオ一色で、まさにカツオの一本釣りメニューだった。
どうも、この会社は本気で四国外のマーケットを狙っているようだ。個人的な経験でしかないが、やたら旨いカツオを高知の港町で食べてしまったことから、それ以来お江戸にある高知料理屋のカツオでも全く満足がいかない。人間、一度良いものを食べると、それより下のもので満足できなくなるというのは本当だった。
圧倒的に上質なカツオを食べてしまうと、それまではスーパーで買ってきたカツオでもうまい旨いと食べていたのだが、2度とそんな気分にならない。一度の上質な経験が残りの人生を不幸にするというのを、我が身を持って体験してしまった。


そのせいもあり、たまたま見つけたカツオ専門店に入る気にはならなかったのだが、岡山の客はどのように感じているのか気にはなる。瀬戸内海の魚と黒潮の魚の対決は、どっちが有利なのだろうか。瀬戸内フィッシュ・マーケットはかなり熱い戦いなのかもしれないなあ。

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