旅をする

阿波尾鶏を食べるはずが

賑やかで良い居酒屋だった

阿波踊りとかけたネーミングの「阿波尾鶏」は、銘柄鳥としてなかなか有名なものだ。ただ、この全国各地にある銘柄鳥というのが、一口食べたら違いがわかるというほど特殊な味をしているのかというと、これまたちょっと微妙なのだ。
鶏肉好きな我が人生を振り返ってみても、違いのわかる男だった気がしない。ただし、美味いまずいという区別くらいはつく(つもりだ)。ただ、チキンというものは素材の良さよりも調理法で大きく味の差が出るような気もする。それでも、阿波尾鶏をとりあえず試してみたい。良さげな居酒屋を探して実食してみた。

鳥を注文して、それがくるまでの間に簡単おつまみを試してみた。徳島名物であるらしいフィッシュカツだ。食べてみるとハムカツをじゃこ天で作ってみました的な食べ物だった。確かに、魚練り物をアレンジするのであればこういう方法もありそうだ。四国の西、宇和島のじゃこ天とはまた違う。四国の東西で同じような素材を全く違う料理に仕立てるのだから、やはり四国は四つの文化が並びたっている地域なのだと改めて思う。
Google先生の航空写真を見ると、四国は山地で分断されている。長らく四国統一ができなかったわけがよくわかる。ちなみに、徳島県は四国というより大阪文化圏にとり込まれている感じがする。だから、フィッシュカツは大阪的な食べ物の影響を受けている風がある。

メニューにあった骨付鳥をまた注文したので、またもや鶏皮も頼んでみた。骨付鳥元祖のものと比べると、似て非なるものという感じがする。これはこれで独立した別物の料理のようだ。インスパイアー系料理というのは得てしてこういうものだろう。現地で食べたもの、オリジナルな料理を真似して、工夫して、それが三世代くらい変化したらオリジナルとはずいぶん異なるものになるはずだ。だが、名前だけが昔のままで残っているという感じだろうか。

全国に点在するジンギスカンと似たようなものだろう。ジンギスカンといえば北海道のローカルフードのようだが、岩手県や長野県では似たような羊肉焼肉料理がh「本場もの」としてその地域のソウルフードとされている。味はずいぶんと異なる。京都とお江戸の蕎麦の違いも似たようなものだ。
この骨付鳥も、変革料理を開発する天才都市「博多」に流れ着いて「博多骨付鳥」に進化した姿を見てみたい気もする。

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