
札幌で鮨を食べたいと思えば回転寿司に行けとよく言われる。確かに、普通の鮨屋でおまかせなどを頼むよりも、回転寿司で好きなネタを食べるのが良いとは思う。ところが、市内中心部には意外と回転寿司屋が少ない。
当然、少ない店に客が殺到するのでいつでも混みあっている。では、郊外にある店に行けば良いのかというと、こちらは家族連れが多いこともあり、もっと混み合っている。個人的には店数が足りていないと思うのだ。
だから、いつも昼のピークを外していくのだが、それはそれで問題が起こる。ランチセットの中身がなくなってしまったりするのだ。特に、この店では鮨+汁物の組み合わせで出てくる「カジカ汁」が人気者で、早く行かないと売り切れてしまう。カジカ汁がなくなると普通のあら汁になるのだが、こうなるとちょっと損をした気になる。あら汁はよくできた美味しいものだが、カジカ汁には負ける。
今回はどうにかカジカ汁にありつけた。ただ、それでもまた問題が発生する。この店の汁は「大椀」なので、汁を飲むとお腹が膨れる。鮨を入れる余裕がだいぶ少なくなる。おまけにランチの時は、シャリ玉が大きめのような感じがするので、お得なランチセットを頼むと動くのが嫌になるくらいの満腹感を感じる。それはそれでありがたいと思うが、なんとも言えないバランスの悪さも………いや、文句言ってすみません。おいしいです。

セットの握りも満足のいく高品質だ。ただ、やはりコロナの後で諸物価値上がりの影響は免れていないようだ。以前食べた時のうっすらとした記憶とくらべると、イクラがなくなった。昔は典型的なお安いネタであったタコが今では高級品化してセットには入らなくなった。鯖もどうやら高級ネタに移行したようで、セット握りのネタ・メンバーはすっかり変わってしまったようだ。
それでも、お江戸で食べる握り鮨と比べると2段階くらいレベルが上であるのは間違いない。明らかにコスパは良い。混雑するには理由があるということだ。
ちなみに、最近では回転寿司でもランチセット9貫+巻物のような売り方をするので、タイミングさえ合えば、そちらもおすすめなのだが。
ラーメン一杯と変わらない値段でお手軽に鮨を食べられるのは、満腹になって動けなるとしても、やはりありがたいと思うべきだなあ。