旅をする

ミュンヘンな冬市場

北の街では11月から冬モードになり、雪は降らないまでも気温は急低下する。その時期になると、大通公園の東側で屋外イベントが毎年行われていた。コロナの間は、休止されていたがようやくフルスケールで再開された。
毎年出かけていたが、いつ行っても「なぜ、この寒いときに外で遊ぶ?」と言いたくなる。雪まつりもそうだが、雪が降ったから屋内に篭りがちなので、みんなで外遊びをしようというような趣旨で始まったはずだ。
ただ、現在の街の状態を考えると地下街は広がり、交通の便も良くなり、おまけに毎年ものすごい金をかけて除雪事業を行っている。家にこもっているとすれば、外出ができないのではなく、好きでやっていることだと思う。まあ、屋外イベント実施にはそれで観光客を呼び込もうという商売目当てなのは透けて見えるし、個人的な勢いで始まった「よさこいソーラン」が初夏の目玉商品になった二番煎じを狙っていると考えれば、なるほど納得できる。

それにしても、西欧で行われるクリスマス市を日本に持ってくるというのは、いささか無理があるような気がしないでもない。日本ではすでにクリスマスは宗教的行事ではなく年末のラブ・イベントとして認識されている。おそらく市民でもクリスマス市の意味合いはわかっていないだろうから、観光客目当ての雪まつり先行イベント、客寄せパンダ的な話題作りという理解ではないか。まあ、カジノ建設目当ての某万博よりはよほど健全なのは確かだが。

会場内には立ち食いフードコートが設営されている。昼でも寒いが、夜であれば耐えがたい気温になる。それでも巨大飲食用テントが設置されないのは、コロナの時期の学びというか、閉鎖空間への恐怖なのかもしれない。
ただ、客の大半を占める外国人観光客はそんなことを気にはしないと思うけれど。お江戸と比べてみると、明らかに市内の繁華街でマスクを使用する人間が多い。やはり、マスクを外すことの忌避感は地方都市ほど強いようだ。特に、北海道は人口比での感染率の高さから感染危険地域扱いまでされていたことを思い出すと、このマスク依存症は2-3年は続くに違いない。

たまたまこの時期は雪が少なかったせいで、路面が見えている。ところが一旦雪が降ると、この広場がスケートリンクのような凍結地面になる。地元民でも歩行に困難が生じる。観光客にとっては罠のような場所だ。それでも、屋外で実施するというのは、なんという商売根性だろう。

毎年実行するのだとしたら、せめてこの会場内だけでもロードヒーティングを施すくらいの「観光支援」業務は行わないのだろうか。実に不思議だ。だが、市当局は人の金を当てにしたオリンピックを呼び込むにためには予算を突っ込むが、自前の観光立地保全に対する金は使う気がないらしい。
そもそも、オリンピックを誘致したのは、老朽化した市の施設を国費で再建するという、ほとんど詐欺じみた狙いがあったようだ。誘致断念の前後に、この手の情報が漏れ出してきたのは、やはり官と民、特にメディアがグルになっていた「汚染な構造」があるせいだろう。
西の街でも万博が終わった後には東京オリンピック並みの悪徳が暴露されるのは間違いないだろうから、この街がオリンピックを諦めたのは犯罪防止の観点からしても正しい。

などとあれこれブー垂れながら、それでも毎年のようにこのミュンヘン市を訪れてしまうのは、イアー・マグが欲しいからなのだが、今年のマグはちょっと可愛い系によったデザインだった。残念なことに値段は昔の倍近くに値上がりしている。平成と令和の最大の違いは「お値段」だとしみじみ思う。おまけに、お値段以上の体験は……………保証の限りではないのが令和という時代だな。

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