
不勉強にして岡山ラーメンという存在を知らなかった。岡山駅前を歩くと行列ができていたので足を止めてみた。カウンターだけのラーメン屋だが、地元以外の観光客も入っているようだった。

入り口脇に店のいわれが書いてある。どうやら豚骨ベースの醤油味ラーメンらしい。瀬戸内地方は、どこでも魚介系スープが前提だと思い込んでいたが、それは間違いのようだ。写真を見るとかなり黒っぽいスープなので、九州中心の白濁豚骨ラーメンとは異なっているのがわかる。トッピングもシンプルのようだ。

その日は行列に並ぶのを諦め、翌日に再訪した。昼のピークをずらしたので並ぶことなくすぐ席についた。注文は一番オーソドックスな中華そばにしたが、自販機のメニューボタンが迷いを誘う。並びがちょっとわかりにくいのでまごついてしまった。普通の中華そばは一番大きいボタンにしてもらえればなあ。
出てきたラーメンを見たら、全てがスープの下に沈んでいる。これだけサブマリンなラーメンも初めて見た。チャーシューとメンマは比較的水面から浅いので存在はわかる。しかし、ネギすら沈んでいるというのは、スープの比重のせいか? あれこれ疑問も湧いてくるが、とりあえず実食。
思い描いていた濃厚豚骨風な味はしない。濃いめのスープに見えるが、予想外に淡白系なスープだった。麺も素直で主張してくることもない。調和、というのが第一感だった。
見た目よりおとなしい。これをベースに岡山ラーメンが展開したのだとしたら、確かに岡山ラーメンは「おとなしい系ラーメン」というべきだろう。お江戸の支那そばほどさっぱりではないが、味のバランスが良い。支那そばよりこちらの方がはるかに好みだ。

食べ終わり表に出たらまた行列ができかかっていた。どうやら店内の空き具合を見計らって地元客が列を作ったり通り過ぎたりしているらしい。老舗の風格というか、岡山市民の合理性というか。
ともかく美味しいラーメンだった。