旅をする

沼津駅の風景 蕎麦とガチャとキャラ

今や滅びゆく昭和の風景の一つ、駅のホーム内にある立ち食い蕎麦屋はそろそろ天然記念物指定をしないと絶滅してしまう鉄道遺物だ。首都圏山手線という日本屈指の乗降客数を誇る路線であっても、ホームにある蕎麦屋はほぼ壊滅している。
そんな駅そば情報を集めた本が何年かに一度発行されるが、すでにホームの蕎麦屋は残り少ないようで、その数少ない生き残りが、この沼津駅にある。駅弁の製造会社が運営しているようだが、営業時間が朝8時から午後の2時までという変則的な物だった。
夜は立ち食いそばを食べて帰る人はいないのだな。

駅弁のラインナップを見ると、なかなかうまそうなものが並んでいる。中でも、抹茶あじ寿司がうまそうだ。シンプルな抹茶めし弁当にも心惹かれる。販売しているのは改札口の脇にあるお店のようだった。

その立ち食い蕎麦屋の裏側に、なんとも不思議な自動販売機があった。最初は懐かしのオレンジカードのようなものかと思った。ぱっと見では商品券を売っているようにも見えた。
よくよく眺めてみると、なんとガチャ、つまりカプセルトイの自販機らしい。なぜ、ホームに………という疑問と、なぜこの商品ラインナップという疑問が湧き上がる。

そもそもガチャは基本的に均一価格で出てくるまで中身がわからんという射幸性の高い商品のはずだが、 なんとこの自販機では中身がわかるし、値段はバラバラ。ガチャマシンとは似て非なるものだった。しかし、なぜ駅のホームにある?という疑問は解消できない。沼津駅の不思議ではなく、ひょっとするとJR東海のあちこちに存在するのかもしれない。
東海道線を各駅停車で旅をして、それもそこそこ大きな駅で降りて、ホームを見て回らないと確認のしようがない。ほぼほぼミッション・インポシブルな使命だが、知りたいなあ。静岡家機とか浜松駅であれば、このガチャもどきマシーンが置いてありそうだ。

そして、沼津といえばもはや絶対ブランド化しているアニメキャラが駅ビルの入り口でお出迎えしてくれた。全国あちこちで町おこし、地域おこしをやっているが、おそらく一番成功率の高いのはアニメコラボだ。成功例も数多い。
ただ学びとして、単発でのアニメコラボはおおよそ3-4年で経済効果は薄れる。浮気なアニメオタクは、次々と新しい対象に惚れ込んで昔のキャラを見捨ててしまう傾向が強い。だから、制作サイドと連携してシリーズ化を強く押さなければいけない。
映画でも行われている地域コミッション制を軸に、継続的なタイアップ、イベント、情報発信を続けなければいけないのだが、これが地域活動グループにとって、そして地域行政にとって、一番苦手なもの「継続性」らしいのだ。
なぜ、ポケモンやマリオがグローバルキャラクターに仕上がったかを研究すれば、地域キャラの育成戦略は自明なことなのだが。
各駅停車の旅をすると、あちこちで日本の今抱える問題が見えてくる………ような気がします。

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