
新大阪駅でポスターを見かけて、なんというか不思議な食べ物に見えた。サンドイッチだが、バンズを使っているようだ。ハンバーガーに似ているが、どうも具材は随分と薄いように見える。試しに一個買ってみようかと思ったが、そのまま通り過ぎてしまった。

帰りの新幹線の待ち時間に、構内の土産物を見て回っていたら現物を発見したのでとりあえず買ってみた。京都のパン屋が作っているらしいのだが、カルネとは一体どういう意味なのかはわからない。仕方がないのでホームページで確かめてみたら、色々と詳しく書かれていた。名前はフランス語、商品の原型はドイツで見たもの、それをアレンジして今では「京都市民の国民食」らしい。
確かに、京都でパン屋巡りをしたことはないので店名が記憶にないが、ホームページで確認したお店の数からすると京都では知名度No.1的なブランドだろう。

ペッパー味も置いてあったのでついでに買ってきた。両方を食べ比べてみたが、これは京都人だけ、つまり食べ慣れている人間だけが理解できる味の差のような気もする。サンドイッチとしては、具材を楽しむ設計ではなくパン生地を味わうもののようだ。個人的にはちょっと寂しい感がするのだが、京都市民が愛してやまないものらしいので、京の味覚がわからない田舎者ということだろう。名物にうまいものなしという言葉もあるが、京都の味は高尚すぎるのだろう。パンを楽しむサンドイッチとは恐れ入った。
新大阪の駅で買った土産物は、栗味と芋味の生八つ橋だったのだが、その土産物屋ではオリジナルの生八つ橋が置いていなかった。いわゆる味変シリーズばかりになっていて、京都の伝統と現代の革新みたいなギャップを感じていた。伝統にあぐらをかくことなく革新は良いのだが、オリジナルを忘却してはいけない気もする。このカルネは同じ味を守り続けている上にペッパー味を加えたということだろう。
京都名物を新大阪の駅で売ること自体、京都商人の才覚というか販売力はすごいものだと思う。ただ、それをいえば伊勢名物赤福も新大阪の駅内コンビニで棚に山積みされているので、伊勢商人の方が上手らしい。西国商人恐るべしということかもしれない。
東京駅で埼玉や千葉の名物を売っているかと考えると記憶にない。浅草名物の和菓子の工場が埼玉にあるのは知っているが、あれは東京名物だ。そもそも埼玉名物とか千葉名物と言われても、商品名がすっと出てこない。横浜名物の崎陽軒「シウマイ弁当」が東京駅でも売っているので、神奈川は別格なのか。神奈川商人とは聞いたことがないけれど……………