
埼玉の郊外駅から始発の電車に乗り込み出張に出かけることが続いている。今では時間に余裕がある(ありまくる)ので、もっと日程をゆっくりと組み立てれば良いのだが、貧乏性から抜けきれず、目いっぱいスケジュールを詰め込んでしまう癖が治らない。
始発で出発すると、都内に出たあたりで腹が減り始める。羽田空港から空路の場合は空港まで我慢するのだが、今回は東京駅から新幹線なので(おまけに満席)、事前に早朝飯をすることにした。ただ、空いている店はごく僅かで選択肢は牛丼店Aか牛丼店Bしかない。渋々、ほぼ2年ぶりに牛丼店Aに入った。
朝食メニューをと思ったが、なんと今では大判の紙メニューに各種定食、丼が並ぶ。ほとんど小ぶりなファミレスもどきだった。もはやファストフードとは言えないレベルだ。さほど時間があるわけではないので、ノータイムで「牛丼 並」と注文したら、30秒で出てきた。GJだ。
ちなみに、隣の席では推定年齢五十代後半、髪の毛真っ白なオヤジがカウンターに頭を乗せて熟睡していた。従業員は起こすわけでもなく放置してる。優しいのか冷たいのかよくわからんが、深夜から早朝に変わる時間帯の牛丼店特有な風景ということにしよう。路上ではなくファストフード店のカウンターで寝ている老人、大都会だなとしみじみ感じました、はい。

新幹線改札構内では、予想とは違い早朝にもかかわらず駅弁が売られていた。駅弁を買って旅情を楽し目ばよかったとちょっと後悔したが、満席の新幹線、それも3列席の真ん中では、やはり何も食べる気にはならない。
と思っていたら、両サイドの乗客が発車すると同時に弁当を食い始めた。うーん、考えすぎだっらしい。

新大阪の駅から、真っ直ぐに一ノ宮参りに出かけた。大阪の都心部は碁盤の目に仕切られているので方向を間違うことはないと、妙な自信があったのだが、地下鉄から地面に上がってきた時点で、すでに東西南北を間違っていたらしい。グーグル先生のお世話になり、ようやく進行方向が真逆だったことに気がついた。残念。

この神社は芸能、落語の神様らしい。新年には上方落語のイベントもあるみたいなのだが、年明け早々から落語を聞きに西の街に来る元気はないな。そもそも今回の大阪も5年ぶり(間にコロナの3年があるのだが)だから、意外と大阪は近くて遠い。
船場から西の方は、昔の大阪では海というか入江が複雑に入り組んだ土地だと記憶していたので、この神社の一帯も干潟にぽっかり浮かぶ島のような場所だったと思うのだが。今では埋め立てられ堀が引かれ、地下鉄まで通っているので、昔の姿を思い浮かべることも難しい。
大阪の神社の元締めらしいのでもっと賑わっているかと思ったが、思いの外、静かな場所だった。周りはぐるっとオフィスビルだから門前市があるようにも思えない。まあ、大阪は町中が門前町みたいな賑やかさなのかもしれないが。
神社の周りの静かな空間が、自分の中にある活気ある街、賑やかすぎる街大阪というイメージとマッチしない。朝の大阪は静かで、なかなか良いなあと思ってしまった。