旅をする

道後温泉は檻の中

湯築城見学に行ったあと、歩いて行ける距離にある道後温泉を見物することにした。路面電車で一駅分だから、大した距離ではない。お城のある公園から歩いても5分とかからない。
道後温泉に行くのはこれで2度目だが、最初に行った時は車移動だったので頭の中に地理感覚は全くないままの温泉突入だった。だから記憶に残っているのは、道後温泉入り口のクラシックな建物と、思っていたより随分と狭くて薄暗いお風呂の光景だった。

電車ではないのだよね と確認しに行きました

今回は徒歩で温泉入口に到達したので、あれこれ待ちの景色が目に入ってくる。道後温泉の駅前には、これまた有名な坊っちゃん列車が止まっていた。よく考えると、この列車は歴史的遺物というわけでもなさそうだ。感覚的にはサンフランシスコのケーブルカーみたいなものだろうか。それでも観光目的の列車というのは、そのフォルムを含めなかなか美しいものだ。
終点で機関車を回転させて方向転換するパフォーマンスも、ひょっとすると原型はサンフランシスコのケーブルカーにあるのかもしれない。

動物園のおりか鳥籠か、と言いたくなるが………

駅前から土産物屋が立ち並ぶアーケードを通り道後温泉の前に行ったら、まさかのビックリ風景だった。鳥籠、というのが第一印象だった。建物自体のメンテナンス工事らしいのだが、さすが皇室御用達の名建築物らしく、これではほとんど歴史的寺院の修理と変わりがないレベルだ。確か、奈良唐招提寺の大改修もこんな感じで(幕が張られて中は見えなかったが)20年近くかけて工事をしていた記憶がある。唐招提寺の姿を拝むのに、ずいぶんと待たされたものだ。

さすが松山一の観光地なので、歩いている観光客のほぼ半数が外国人だった。この国はもはやローマやパリのように、地元の人間よりも観光客が多いところになってしまったのだなあ。そうなると、看板も日本語だけではいけない時代なのか、とプリン屋の看板を見ながら思った。

はいからさんが通るの時代かな

坊ちゃんとマドンナも松山を代表する名キャラクターだが、彼らも観光アイコンとしてはせいぜい100年程度の歴史しか持たない新参者だし、おまけに日本文学の造形がないと、この二人の関係性は理解できないだろうなと思うのだが。ぼっっちゃんとマドンナのカップル、これは日本人専用の観光ツールなのかもしれない。
そう言えば、この手の顔出しスタンドで写真を撮っているのは日本人だけのような気もする。確かめたことはないが……………

夕日を背景にした道後温泉駅はなかなか浪漫的な風情がある。ただし、この駅の周りで日本語を喋るものはほとんどいない。何やら、異国情緒すら感じる不思議空間だった。
それでも、ここから電車に乗って二つ先の駅からは、スーツにネクタイをしめたジャパニーズサラリーマンが通勤帰りで続々と乗り込んできたので、一気に車内は日本的お疲れ様な雰囲気に満たされたのであります。

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