
いつもお馴染みの埼玉県発の町中華、日高屋でこの秋の新作を食べてみることにした。似たようなラーメンは他のチェーン店でも販売しているから、ちょっとした食べ比べ気分だ。
肉そばの定義がどんなものかはわからないが、個人的にはチャーシューの代わりに豚肉の生姜炒めのような味付き焼き肉が乗っているものだと思っている。だから、ビジュアル的には茶色一色で、「そそられる」感じはしない。ところが、今回は黄一点(紅一点ではなく)でゆで卵の半分が乗っていて色気を出していた。ちょっと、やるなあ。
味付けは、シンプルな醤油味という感じだが、普通の醤油ラーメンとは違っている。最初に見たときは、サクッと食べていけそうだったが、思いのほか手強い原因は脂身の多い焼肉のせいだ。脂っぽさと量が多いことのダブルパンチで、胃袋にはなかなか厳しい。まあ、これが好きな人にはたまらない「肉感」なのだろう。普通に美味しくいただきましたけど、完食するまでは大変だった。

その後で気分を変えて野菜炒めを食べようと思ったのだが、これまた急に気が変わりキムチ味のバクダン炒めにしてみた。
これもいつものことだが、バクダン炒めは作り手によって味も見栄えも全然違う。同じメニューでも店ごとに味が違うというのはチェーン店アルアルだが、バクダン炒めに関しては、店ごとどころか作り手によって全く変わるびっくり箱みたいなメニューだ。

今回もその期待を裏切らず、これまで見たことがないハイレベルのものが出てきた。バクダン炒めは、基本的にキムチ味なのでルックスは赤い(はずだ)。肉の量はその日によって違うが、キムチが多めの場合は肉が少なくなっている気がする。
今回は、まず赤くない。おまけにキムチ味は薄めで辛味も控えめ。そして、肉の量が通常の倍くらい入っているような感じがした。肉野菜炒めの、肉増量バージョンといった感じだろう。今まで食べた中でも、一番の変わり者だった。
ただ、バクダン炒めの「日によって変わる味」を非難するつもりは毛頭ない。逆に、今日はどんなのが来るだろうと毎回楽しみにしている。しかし、その予想を超えるものが出てくるとため息が出る。(ほほう、今日はここまで来るのか、これはほぼ北極まで来た感じだな、などと感心させられるからだ)
町中華の楽しみ方はいろいろあるが、一つのメニューを食べ続けると、初めてわかる(たどり着ける)奥義があるのだ。(奥義習得者として威張らせてもらおう)
でも、奥義を極めるのに気を取られて食べすぎた。