旅をする

北の大地とローカルフード

LCCの便で北の街にやってきた。チェックインの時に座席指定はしないまま適当に席が決まる設定を選んだら(これだと1000円くらい安い)、窓際の席になった。普段は窓席を選びはしないので、何やら新鮮な光景が見えた。
山の際まで畑が続いている。アメリカの畑は飛行機から眺めると、視野の全部が同じ色だった。(地平線まで全部とうもろこしとか全部小麦とか、とにかく単色だった)
北の大地でも収穫が終わった10月ともなれば(日本でも同じように)、土の色で一色になる。畑の区画は小さい物でも100m四方くらいだから、隣のうちまで歩いていこうという気が起きないほどの広さだとはわかる。

それでも空港に近づき高度が下がれば、それなりに工場や住宅が現れてくる。北日本最大の空港都市は自衛隊の主力基地に併設されているから人口も多い問はたくさんあるから、空輸できるような高価な工業製品の製造にも向いている。まだまだ人口は増えそうだ。とはいえ、今の住宅地のすぐそばには原生林が広がっているのだから、やはりここは日本の中でも異郷に近い。ライフスタイルもアメリカンな気がする。

空港から JRで20分ほどの小都市に実家があり、駅近くのスーパーに寄ってみた。いきなり、ドがつくほどのローカルフードにお出迎えされた。普段生息している埼玉県ではまずお目にかかることがない。
「ほっけ」のフライだ。おまけに大きい。ホッケの身

は比較的淡白なのでフライにするとうまい魚だと思うが、残念ながら小骨が多い。それを気にしなければ、ホッケフライは安いし腹がふくれるボリューム感もある。貧乏人の味方だとずっと思っていたが、いつの間にやら貧乏人向けではないお値段になっていた。学生時代には丼飯とホッケフライが一番安い定食だったのだがなあ、とため息をついてしまった。
そしてホッケフライの横に並ぶのは鮭フライで、これもお江戸界隈ではまず見かけることがない。弁当のおかずであれば焼き鮭はありふれているものだが、鮭フライはまず登場してこないはずだ。おまけにホッケフライと変わらないほどの大きさで、値段も同じとは。ホッケが出世したのか、鮭が落ちぶれたのか、なんだかこれも微妙な気分になる。昔は、鮭こそ魚の王様だと思っていたのだがなあ。

みてわかる通り、一面の茶色なので、鮭もホッケもビジュアル的な要素はかけらもない。エビフライのようなルックスの違いもない。この茶色を見て中身の味を想像するには、北の大地で生活した経験が必要だろうと思う。転勤や入学で移住してきた南方日本の人たちには、なかなか得難い経験になると思う。
ちなみに、この鮭フライ、ホッケフライ、どちらもたっぷりソースをかけて食べるとうまいと思うのだが、醤油でもなかなかいける。最近の食べ方ではマヨ醤油で食す新人類も大量にいるらしい。

ホッケも干物オンリーではなく、使い道を考えると面白い料理素材になるのかもしれないなあ。

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