旅をする

ディープすすきので演歌な夜

開業60周年だそうでもはや老舗中の老舗

久しぶりにススキノの真ん中で一杯飲むことになった。どうやらススキノの夜はほぼ完全復活したようで、人気店に限らずほとんどの店は予約なしで入ることができないほどの繁盛ぶりらしい。コロナの反動というべきか、これが普通の生活だったのかと疑ってしまう熱気が夜の街中に溢れているらしい。個人的な感覚で言えば、昔懐かしのバブル期に近い感じがする。

その超がつく老舗の炉端焼きの店で炙りたての魚とぬる燗を楽しむことになった。炭火の炙り台の近くに大きな土瓶がかけられていて、そこから柄杓でぬる燗の酒を注いでくれる。燗の加減が絶妙で、ついつい飲み過ぎてしまうのが玉に瑕といった感じだ。

大ぶりの魚を豪快に食べるのも良いが、秋も深まったこの時期では小さい魚をちびちびつまむのも良さそうな気がして、注文したのがししゃもだ。スーパーの魚屋で売っている「ししゃもの類似品」ではなく、本物のししゃもだった。ああ、うまい、というしかない。口福という言葉が頭をよぎる。

炉端焼きの店とはいえ炙り魚だけではなく刺身も注文できる。好みのものだけを注文したら、何と皿が真っ白になった。今ではすっかり高級品化している「イカ」、そして「ホタテ」と「八角のルイベ」の3品だった。特に八角のルイベは絶妙な脂のノリだったから、これまた酒が進む。薄暗い店内で八代亜紀の歌が脳内BGMで流れていた。ただ、店内ではおっさんとジジイの蛮声が響き渡っていたので、しっぽりとした雰囲気とは無縁だったが。

良い友人と美味い肴と美味い酒。ディープススキのを楽しむには、重要な3点セットでありました。この店は、開店60周年を迎えたそうで、良きかな良き哉。

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