ちなみにどちらも獣耳キャラではありません。イラストと本の中身はだいぶ印象が違うのだけれど。
崩壊した文明を再興するという話が好きだ。一番最初に読んだのは超名作SFであるアジモフ作「銀河帝国の興亡」だった。次に感動したのはライバー作「闇よ落ちるなかれ」だが、これは文明再建というより文明の衰亡を防ぐという話だった。
子供の時に何度も繰り返し読んだ、サバイバルものの典型である「ロビンソン・クルーソー漂流記」がきっかけだったと思う。個人のサバイバルから人類、文明のサバイバルへと興味と関心が移った感じだろうか。
核戦争で荒廃した社会を描く「北斗の拳」よりも、崩壊した文明再建を目指す「Dr.Stone」の方が気に入っている。(どちらもお話としては大変面白い)
なので、この本の題名を見た瞬間、不見転で手に取っていた。題名が素晴らしいの一言に尽きる。「文明再生記」と書かれているのだ。読まずにはいられない。
お話は前世の記憶を持った転生者が、文明崩壊し中世レベルまで後退した社会にうんざりして、なんとか自分の知っている安楽で安全な社会を取り戻そうと悪戦苦闘し始める話だ。
主人公はまだ10歳の少年だが、前世記憶が残るせいか、やたら大人くさい発言をする。子供らしくない子供が、次々と失われた文明の技術を取り戻していくのだが……………というものだ。
文明再興における最大の道具は、本であり、識字率をあげること。つまり教育だというのがメインテーマのようだ。実に楽しいお話ではないか。ワクワクして一気に五巻まで読み切った。続きが早く読みたいのだが。刊行ペースは一年に二冊程度。完結するまでには何年かかることか。良作なのに。
そこでコミカライズされた原作を読もうと探しているが、書店では見かけたことがない。ラノベ作品に特有の事情で、書店の店頭で販売されているのはせいぜい直近半年で発売されたものばかり。ほぼ雑誌扱いなのだ。大長編化しているベストセラー(だいたい三十巻くらいになっているもの)であれば全巻揃っていることもあるが、十巻程度で完結した作品は、まず書店ではお目にかかれない。結局、本が欲しければAmazonで注文するしかない。
棚の数に限りがあるという書店の事情もあるだろう。ただ、おそらくラノベの読者の大半が、「紙の本」ではなくデジタルブックで読んでいるのではないか。となれば、書店に在庫があるかどうかはあまり問題ではない。
自分のことを考えてもコミカライズを読んだ後で原作を読もうとしたら、買う形状は電子書籍だろうなあと思う。便利でお手軽、いつでも買えるし、いつでも読める。
つらつらと考えるに、まさに本屋受難の時代なのだ。だから今回はあえて、「紙の本」を行きつけの書店で注文しようと思っていたら、なんとその本屋も来年では閉まるらしい。困った時代だ。文明再建はデジタルの波で邪魔されてしまうらしい。
「コミックのサイトはこちら →
https://comic-gardo.com/volume/4856001361321536399
原作の特設サイトはこちら →
https://over-lap.co.jp/narou/865545739/