駅弁

宇都宮の駅弁

郡山のお祭りキャラらしい

各駅停車の旅を何度か繰り返しているが、今回は日程を間違ったようだ。お盆が終わった後だから旅行をする人間は減っているだろうと思っていたのだが、予想を遥かに超えた大混雑で、各駅停車の旅なのに満席、立ったままの乗客も多い。
どうやら、高齢者のジジババが一斉に移動を開始したようだ。大きな荷物を持った高齢者がやたら目立つ。中には杖をついているのに大きなリュックを背負っている強者もいる。それ以上に混雑の原因だったのが、高校生のスポーツ系合宿と思しき団体だった。ユニフォームを着ての移動は、学校名から名前まで一目でわかるので、この個人情報のやかましい時代に大丈夫かと思うが、男子ばかりだからお目溢しなのだろうか。
今回の移動中、どこにでもわんさか大量発生していたスポーツ男子団体だったが、お盆が過ぎた後で宿泊費が低下したタイミングをねらい、一斉に活動しているようだ。
今までの各停旅経験で言えば、ガラ空きなはずの客席がほぼ満席で、のんびり駅弁で昼飯を楽しもうと思っていたが、車内で弁当を食べられる雰囲気ではない。結局、宇都宮で買った駅弁を郡山まで持ち歩き、駅で食べるハメになった。

全国あちこちに「鳥飯」の駅弁は多い。個人的には秋田県大館の「とりめし」が最高位にあると思っているが、九州折尾名物「かしわめし」も評価が高いようだ。お江戸でもあたりまえのように「とりめし」駅弁は売っている。チキンライス弁当もとり飯の変形版としては捨てがたい。
ただ、宇都宮のとり弁当はずっと気になっていた。宇都宮が駅弁の発祥地であるという歴史的業績に対する期待もある。それ以上に、この宇都宮の駅弁屋さん諸品が実に名品揃いだからだ。

煮卵が圧巻のボリュームだった

蓋を開けてみると、構成は実にシンプルで、他のとりめし弁当と比較しても、オーソドックスと言える。焼いた鶏肉と鶏そぼろ、オボロ卵、この辺りまではだいたいとりめし定番の組み合わせだろう。見て驚いたのは煮卵が入っていることだ。煮卵を取り上げてみると、なんと丸々一個だった。大抵は半分にカットしたものが入っているのだが、この弁当では煮卵が完全体だ。おまけにオボロ卵が入っているのだから、随分と豪勢な卵推しだ。
とり肉ととりそぼろ、どちらも甘さは控えめで、個人的な好みにぴったり合う。鳥の焼いたものが入っている弁当では、焼いた鳥につけるタレが甘すぎるものが多いので、これくらいの控えめさがありがたい。鶏肉の旨みもよく感じられる。
唯一の難点といえば、ご飯の量がちょっと多いかなという程度で、腹ペコの人にとってはちょうど良い量なのかもしれない。完食した上で、個人的なとりめしランキング上位に決定。
これはまた食べてみたい駅弁だった。できれば「すいている各駅停車」の中で、車窓の風景を見ながらのんびり食べたいものだなあ。

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