消えた物 その1 簡体略字の広告

千歳空港で早い昼飯を食べようと思って、搭乗階ホールから1階上のレストランフロアーに登ると、天井から吊り下がるバナー広告(垂れ幕)の変化に気がついた。ポテト菓子の垂れ幕があったところには、確か大陸系スマホ決済の宣伝がぶら下がっていて、そこには日本語が一文字も書かれていなかった。
個人的には、西海岸の空港で「カタカナ」だけで書かれた広告を見れば似たような感じになるのかと思っていたものだ。外国人向けの広告は英語で書かれているという先入観があるせいだろう。
今ではバナー広告が全て日本語に変わっている。観光客の主力が誰かということを、広告主が理解しているということだ。コロナの3年間で一番変わったことかもしれない。ちなみに、札幌の宿泊代は、すでにコロナ期の数倍程度に上昇していて、これはバブル期の料金に近い(あるいは超えているかも)と思う。
消えた物 その2 カレーラーメン

そんな復調した千歳空港はとても賑わっていて、ラーメン道場は昼前に各店ほぼ満席の盛況ぶりだった。人気店では長い行列も復活していた。待たされるのもなんだかなあと迷ううちに、フードコートに千歳ラーメンの店があることを思い出した。久しぶりにカレーラーメンを食べてみようとフードコートに向かったのだが。
見事に、カレーラーメンの店は退店していた。その代わりにできていたのが、味噌ラーメンの店だった。創業が昭和と書いてあるので、それなりに老舗であるのは間違いないが、店名に心当たりがない。
おそらく、自分の行動範囲にはない店なのだろう。札幌市と言ってもその面積は広大で、市の東西、あるいは南北を縦断、横断するには車移動でも1時間以上かかる。知らない店、知らない場所がるのは当たり前だ。
ただ、すでに口の中はカレーラーメンを欲している状態で、己の欲望を味噌ラーメンに変更するのはいささか厳しい。ご当地カレーラーメンをメニューに加えてくれていないかと、恐る恐るカウンターに向かったのだが……………

残念なことにご当地メニューの追加はなかった。それどころか、ほぼミソ味に特化したストロングスタイルの店だった。そこはあっさりと妥協して(己の欲望は簡単に変化してしまった)、一番シンプルな味噌ラーメンを注文した。
結果は、期待以上に旨かったので不満はないどころか大満足だった。コッテリ系の味噌ラーメンだが、余計なものが乗っていない。写真に撮ると茶色一色で残念ながらビジュアル映えはしないが、味噌ラーメンとは元々そういうものだし、スープと麺のバランスさえ良ければ、概ね100点をつけられる食べ物だ。
実にうましだった。唯一後悔したのが、ニンニクを薬味で足しておけばということくらいだ。うまい味噌ラーメンには、ニンニクを入れるのが絶対要件(個人的な見解です)だが、フードコートのカウンター受け取り方式だと、ついつい薬味投入が粗雑になってしまう。反省だ。それでも、この店で違う味噌ラーメンにチャレンジしたくなった。
ついでに、札幌にあるはずの本店にも行ってみなければなあ。