食べ物レポート

金沢カレー ではないのかな?

たまたまアパホテルに泊まったら、お土産?にカレーをくれた。なんともすごいストレートなネーミングだが、わかりやすいと言えばわかりやすい。全国あちこちでニョキニョキ生えてくるアパホテルだが、ホテルに食堂・レストランが併設されているところは少ない。利用者の多くが、簡便食としてコンビニ弁当などを買い込み部屋で食べるということも多いような気がするから、自社ブランドカレーというのは案外需要があるのかもしれない。
神田カレーグランプリ入賞というのはカレー業界で映えある賞なのだと思うが、3位入賞というのがこれまた微妙で、1位と2位はどんなカレーだよと、余計なことを知りたくなる。
目標1000万食というのも、よく考えればこれまた微妙な目標だ。日本人の成人十人に一人が食べれば1000万食は達成できそうだが、このカレーがスーパーで売っているのはみたことがない。アパホテルに泊まらなければ目にする機会も少ないような気がする。
ちょっと思いつき、アパホテルの総客室数がどれくらいあるのかネットで見ると2020年に約10万室だった。今ではもっと増えているだろう。とすると、アパホテルの一室あたり1年で100個売れると年間販売総数が1000万個になる。客室稼働率が70%程度であれば、年間客室稼働日数はおよそ250日だ。つまり250日宿泊客がいて、そのうちの100人が社長カレーを買ってくれれば?、めでたく目標達成になる。つまり、宿泊客2.5人に一人が購入する、あるいは宿泊のおまけでもらうと、1000万食は一年で達成できるのだが、これまた微妙な数字だなあ。(そもそもこのカレーはいくらで売っているのか確認し忘れた)
推定計算にはだいぶ苦労したが、広告の宣伝文句としてはなかなか面白い発想だなと感心した。その上で、社長カレーを実食してみた。アパホテルは発祥の地が金沢なので「金沢カレー」テイストになっているのか期待してしまった。パッケージの写真をいる限り、金沢カレーっぽいのだが。

食べてみたら、やはりこれは金沢カレーあるいはその亜種なのだと思う。ドロドロとしたルーは自分好みだった。金沢カレーのレトルトはすでに何種類か買って食べている。感じとしては、チャンピオンカレーに似ている気がする。
それ以外の感想は……………ない。普通に美味しいレトルトカレーだ。レトルトカレーの旨さは、実に単純に価格に比例する。レトルトカレーに「安くて美味い」は成立しないと思っている。安いカレーはそれなりの味しかしない。自分で食べる時にはスーパー価格が200円台後半のものを買う。それより下のゾーンで美味いと思ったカレーは経験上存在しない。
スパイスの違いや具材の量の差などはレトルトカレーのうまさにあまり関係ないと思うからだ。レトルトカレーの旨さの差とは価格差により決まる、つまり原材料にかけられる金で決定的に決まってしまう。実はレトルト食品では、決定的な味の差を生み出す製法や調理法の違いなど完全になくなっている。もはやレトルト製法は「こなれた当たり前の技術」になっている。
だから、この普通にうまい社長カレーは、それなりの値段がするのだろうと思っていたのだが。

近くのおしゃれなパン屋でなぜか社長カレーが売っていた。お値段を見ると、やはりそれなりのものだった。確かにこれくらいの値段はするはずだよなあ、と妙に納得してしまった。もう少し販売計画数量を上げて価格を低めに調整できれば、意外とコンビニでも売れるヒット商品になりそうだけれど。
アパホテルに泊まる人は買えるみたいだからお試しあれ。

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