食べ物レポート

近くの担々麺屋で見つけたこと

この界隈では老舗の風格だ

開店してから20年以上は経っていると思うのだが、バイパス沿いにある担々麺の専門店に年に何回か訪れる。担々麺は時々無性に食べたくなる不思議な食べ物だ。普通に中華料理屋に入った時には、メニューにあっっても食べる気にならない。なぜか、坦々麺は専門店限定で食べたくなる。
最近では本場に近い形で、痺れが強い味付けの担々麺屋が増えているが、この店は昔ながらの?あまり痺れないものと、ビリビリに痺れるものの両方を出してくれる。

外見は中華ファミレス風の食堂だが、中に入れば普通のラーメン屋と変わらない。多分、店主は代替わりしているようだ。一時期は餃子とかチャーハンとかメニューがやたら増えたが、また担々麺専門に戻っているからだ。この店の裏手にはファミレスがあったのだが、そちらはすでに2度ほど店名が変わっている。バイパスである交通量の多い街道沿いにある。ただ、ファミレスが多いわけでもないので、過当競争になる立地ということでもなさそうだが、ちょうど流速が上がる場所なのが飲食店には良くないのかもしれない。
コロナの間は、この人気店もガラ空きだったから、よく閉めないでいてくれたものだと感謝している。

基本的にトッピング違いの担々麺がメインで、それに味違い麺メニューがある。個人的には担々麺にトッピングを乗せてもねえ、という感じがあるので、注文するのはいつでもプレーンな担々麺だ。胡麻の味と辛さと濃いめのスープが好物だ。おまけに細めの麺がスープによく絡む。
ヒーハー言いながら辛い麺を食べ、箸休めにもやしを食べる。天国、天国と言いたくなる。四川料理は辛いというより痺れる料理だから、痺れという点で言えばこの店の坦々麺はマイルドだ。多分、その他の担々麺バラエティーの中には「痺れ強め」なメニューがあるはずだが、面倒くさがっているので試してはいない。

見た目は実に正統派な坦々麺に見える 味は、まさに正統派の日本風坦々麺でうましだ

麺を食べ終わった後にスープの底に沈む挽肉炒めを掬って食べる。この時は、麺料理からスープ料理に変わっているので、一度食べる間に二つの楽しみ方がある。これが正しい担々麺だろうと勝手に思い込んでいる。坦々麺と言いながら挽肉炒めが少ない店もあり、そういう店では2度と担々麺を頼まないことにしている。(担々麺以外でも美味い麺料理はあるからそれで良いのだ)

今回の発見になるが、通常の店で追加で入れるラー油とお酢は小瓶に入っていることが多い。手抜きの店だと市販にラー油をそのまま置いてある。ところが、この店では自家製ラー油をスポイトで吸い取って入れるのだ。これはこれまでみたことのない提供スタイルだった。
スポイトを使うと量の調整もしやすい。よくあるラー油の小瓶だと垂れた油で瓶本体がベトベトしているのが嫌いなのだが、これだと手が汚れる心配もない。スポイトの掃除はどうするのかとか余計なことを考えてはしまうが、このアイデアは素晴らしい。レストランビジネスはこうした小さな積み重ねで進化するのだよな、などと感心してしまった。考え出した人、偉い。

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