食べ物レポート

札幌で食べるラーメン 二題

札幌はラーメンに関して寛大な市場だ。何が寛大かというと高い価格を受け入れる広い客層があるということだ。東京の激戦区で競争しているラーメン屋と札幌のラーメン屋は価格帯がほぼ同じ。店によっては札幌の方が高いかもしれない。個人的な相場感で行くと、札幌のラーメンは2割くらい高い。つまり、札幌のラーメンファンはお店に対して寛大なのだよね。

さて、そのラーメンヘブンな札幌で知らない間にずいぶんたっぷりと店が増えた老舗 「さんぱち」だが、その存在意義は時代に媚を占い、昔通りの味噌ラーメンを提供し続けていることだ。と断言する。(したい)
札幌に数々ある味噌ラーメンの名店に共通するのは、減塩とか脂肪カットとか言い出さないことだ。味はあくまでガツンと濃い味で、ネギをたっぷりケチケチしないで、チャーシューは店によってそれぞれだが厚切りが多い。ブルーカラー系の味だといえば、確かにそうなのだが、これがうまいぞ、これが好きだぞという男性中心の顧客層に支えられている。老舗というにはちょっと荒っぽいという感はあるが、ススキの周辺にあった古いラーメン屋が次々と変身していく中、さんぱちの変わらなさは貴重だと思う。
ただし、店による味のばらつきもそれなりにあるので、自分の好きなさんぱちを発見するのがちょっとたいへんだ。

札幌 さんぱちの味噌ラーメン

全く知らないラーメン屋に初見で入るのはかなり気合のいる博打だと思うが、札幌ではたまに博打してみることがある。勝率は五分五分という感じなので、あまり良い博打ではない。だから勝った時は実に嬉しい。「辛いラーメン14」というずいぶん変わった名前のラーメン屋に入ったんのは土曜の昼だった。近くには北海道庁がある札幌のオフィス街で、「土曜に店を開けているというのが立派だ」という心意気に負けて入ってみたのだが。これが大当たりだった。

辛さは10段階くらいで選べる。取り合えず無難なところで普通というか中辛にしたが、これが顔から汗が出るほどの辛さだった。人によっては辛さをレベル下げすることも必要だろう。それでも周りの客は5辛くらいが結構いたので、辛いもの好きには中辛では物足りないのだね。ただ、単純に辛いのではなく旨辛系なので、ちょっと水を多めに補給すれば大丈夫だと思う。チャーシューがうまいと感じたのは久しぶりで、辛さによく合うチャーシューという珍しい一品だった。これはまた行きたくなる、後を引くうまさを感じる。札幌では「辛さ」を押し出したラーメン屋は珍しい。

普通のラーメン屋でも辛味噌程度は提供するようだが、辛さ専門は嬉しい。近郊の北広島には地獄ラーメン的な辛いラーメンもあるが、あまりにも遠い。札幌で辛いラーメンがメジャーになる日までぜひ頑張ってもらいたい。