食べ物レポート

ハナウタ 極北の地だった

札幌で仕事先の方に連れて行ってもらった郊外の小さなラーメン屋が、なんというか極端な「辺境の地」的な感動を与えてくれた。簡単にいうと中華系香辛料を大量に使ったラーメンで、あえて似ていると言えば四川風坦々麺の系統かと言える。ただし、似ているのは辛い、痺れるのマーラー系ということくらい。
辛さを聞かれて中辛にしたが、食べている途中から顔の汗が止まらない。ラーメン的な旨味はあまり感じられないが(出汁の利き方が違うのか?)、それでも箸が止まらない。四川省に行って初めて食べられる、坦々麺の派生種と言われたら、そうかもしれないなあという味だ。

坦々麺もどきと言えば、それは間違いだと思うが

餃子も名物だそうで、焼き餃子と水餃子を一皿ずつ頼んだが、肉が多めの濃厚スタイル。ただし、香辛料はやはり強めに効いている。好みにもよるだろうが、この辛いラーメンには、水餃子が合うような気がする。

一見すると普通の餃子だが

休日だったせいか行列もできていたが、なぜかカップルが多い。この系統のラーメンはガツン系大好き男専用かと思ったが、世の中にはスパイシー大好き女子が増えたということか。ただ店内の会話をなんとはなしに聞いていたら、女性主導できているカップルが多いようで、確かに、この店に女一人で来るのは結構難度が高いかもしれないなあなどと思ってしまった。


辛さも味も異なる何種類かの麺メニューがあり、一度来ただけでは悔いが残る。これは自分一人で何度か足を運ぶかと思うが、公共交通機関の路線からは外れた場所なので、札幌市内の秘境みたいな(周りは密度の高い住宅地なのだが)ところにある。観光客には難度が高い場所だ。

ラーメン通にはわざわざ行くだけの価値があると思うが・・・。

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味噌ラーメン 初代とよし乃

札幌駅前にある専門店ビルESTA(旧そごう)の最上階にあるレストラン街、そこの一角にラーメン共和国というラーメン屋の屋台村のようなものがある。定期的にテナントが入れ替わるので、飽きがこないのが良いところだろう。

詳しくは看板を読めばわかる

小樽「初代」は、小樽の町外れの一軒家ラーメン店で、そろそろ20年近くになる。不便な場所でありながら昼は行列のできる名店だが、札幌豚骨系スープの初期の開拓者でもあった。初代に行けば醤油と決めていたが、ラーメン共和国に出店していたのを思い出しふらっと寄ってみて、たまには味噌ラーメンも食べてみるかと。

このラーメン共和国は、仲が昭和レトロというか映画「三丁目の夕日」的な設定なので、ともかく中が暗い。写真を撮りづらい環境だ。とぶつくさ言いっているうちに「味噌ラーメン」が登場した。豚骨系スープに味噌というのは、これがなかなか難しい。相当濃い味付けにしなければスープに負けてしまうが、味噌味を強くすると豚汁になってしまう。豚骨スープの流行始めに味噌味がなかったのも当然だ。この初代でもその難点はやはり存在していて、醤油と比べるとちょっと味が弱め(十分濃厚ではあるがバランスの問題だ)。麺をもっと細めにしてスープの絡みを増せば良いのかもしれない。全体的な評価とすれば、やはり醤油味がよろしいかな。

札幌の味噌ラーメンといえば元祖「味の三平」と言いたいところだが、「よし乃」も捨てがたい。札幌の老舗ラーメン屋は、当然ながら昔風のスープの取り方なので、鶏ガラ+野菜というシンプル系が多い。それでは味が弱いので、化学調味料を大量投下(個人的にはこれを否定しない)して、味噌味に負けないように仕上げるという手法だ。

これぞ味噌ラーメンのルックス

「よし乃」は、この昔懐かし系の店よりも濃厚だと思うが、何せノスタルジックな味なので、舌がこれを喜んでしまう。麺も硬めのチャーシューも、もやし炒めも全てがありし日のバランスなので文句はつけがたい。札幌に観光できた人がイメージするのはこちらの味付けではないか。札幌ラーメンでは定番の中太縮れ麺がよく合うラーメンという感じだ。こちらは札幌駅地下街にあるので利用しやすい。

ちなみによし乃本店は旭川らしいので、正確にいうと旭川味噌ラーメンということだ。

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今は札幌ナンバーワン行列店 彩未

冬なのでしばらくラーメンの話を続けることにした。

今札幌で一番行列ができるラーメンといえば、この「麺屋 彩未」ではないか。テレビ番組などに露出することも多い有名店だ。
最寄りの地下鉄駅から歩いて5分程度、駐車場も併設されているがこの行列にたえられるような台数ではないので、車で行くのは止めた方が良い。タクシーで乗り付けても、都心部からは大した距離でもないが、とにかく行列が凄いので、待ち時間は1時間で済めば御の字ということだ。

開店時でこの行列

店主は、これも名店「すみれ」で修行したとホームページに書いてある。「すみれ」と「純蓮」は兄弟店(のようなもの)なので、札幌のラーメン屋にはこのどちらかの卒業生も多いようだが、個人的には「すみれ」の方が好きだ。どちらの店も表面に油の層ができていて、それがラーメンの熱を逃さない熱々の秘訣といったあたりは同じ。人気店で昼には行列しないと入れない。

生姜が特徴
色はグレー? 味噌ラーメン

さて、彩未のラーメンだが、見た目は味噌ラーメンらしからぬ色だ。正直いってグレーな味噌ラーメンは初めてみたような気がする。味噌ラーメン独特のオレンジに近い茶色のスープを見慣れているだけに、「これは何?」というのが第一感だった。ただ、それ以外は思ったよりオーソドックスな感じの味噌ラーメン。スープがちょっと塩味薄めながら豚骨だしが濃厚という珍しいバランスだ。トッピングとしてのっているおろし生姜を少しずつスープに溶かしながら、味変を楽しむのがおすすめらしい。もともとラーメンスープ、特に豚骨系は生姜が合うとは思っていたが、生姜推しというラーメン屋は珍しい。一つには生姜が原材料としては高いということもあるようだが。最近札幌ではやりの店は、濃厚系Wスープの店が多いようで、それと比べるとシンプルにまとまっている感じだ。

これはぜひ醤油味も食べてみたいと思わせる旨さなのだが、この行列に並ぶことを思うとゲンナリしてしまう。ましてや、冬になってきて雪の中で並ぶのは些いささかしんどい。

雪が溶けたら、再度チャレンジしてみようかと。

お店のサイトはこちら→ https://www.menya-saimi.com/about