食べ物レポート

北海道ラーメン道場 制覇

千歳空港が新しくなった時にできた「北海道ラーメン道場」は、多少の代替わりもしながら人気店で固定化してきたようだ。味噌ラーメンの店が多いような気もするが、いわゆるニューウェーブ系もあり、旅行者にとってもどの店を選ぶか迷うのは楽しみなことだろう。

名店・人気店揃い

札幌出張の帰りに早めの晩飯としてラーメンを食べる機会があったので、気に入った店をボチボチと利用していたが、いつでも行列ができていて入れない店があった。ヘタをすると待ち時間が1時間以上になるので、すっかり諦めていた。ところが、このコロナの影響で、超人気店も行列なしで入店が可能となり、ハッと気がついたら利用したことがない店が2軒だけになっていた。全店制覇などできるはずもないと思っていたが、最近の札幌出張の多さのおかげで可能性が出て来ていたのだが、超難関の人気店にスルッと入れてしまったので、勢い込んで完全制覇を目指してみた。

若き創業者の店らしい

そして入った最後の店がニューウェーブ系「飛燕」。鶏白湯の塩ラーメンが推しメニューとのことだが、そこはちょっと変化球で対応しよううと、魚介だし鶏白湯Wスープにしてみた。一番最後の店になったということは、これまでニューウェーブ系ということで避けていた訳で、正直あまり期待していなかった。ノルマ達成の為、渋々入ってみたというだけだったのだが、良い意味で期待を裏切られた。
うまいのだ。豚骨と魚介だしのあわせを推しにしているラーメン屋は非常に多い。ただし、豚骨の臭みに負けないように魚介だしも強くすると、合わせた時にどうしても苦味の出るスープになる。それが良いというファンも多いだろうが、個人的にはちょっと苦手としている。ところが、鶏白湯になると、魚介とのバランスが良い。というかあまり苦くならない。
実に感心させられた。やはり世の中は広い。食わず嫌いをしてはいけないなと反省。もう一点言えば、チャーシューが良い。よくあるパサついた煮豚ではなく、バランスが取れた2枚のチャーシューだった。

これはうまかった また食べたいぞと思わせる

時間はずいぶんかかったが(多分3年くらいか)10店全店制覇というのは、空港ターミナルビルに表彰でもしてもらいたいくらいだ。ラーメン道「名誉5段」くらいはもらっても良いような気がする。
意地になって全店制覇達成してみたが、さすがにラーメン道場だけあって修行の成果はあった。最後まで残していた店のレベルの高さに気が付けたのが、最大の収穫だったように思う。
ちなみに、しばらくしてから「飛燕本店」に行ってみることにした。それはまた別稿にて。

食べ物レポート

千歳空港のラーメン二題

千歳空港の観光客向けラーメン横丁は、フードコートとして日本屈指の売り上げがあるのではないかと推測しているのだが、その中でもいつも混雑している店とまあまあの客具合の店があるのは、資本主義社会としては仕方のない競争原理が働いているのだ。

などと小難しいことを考えながらラーメンを食べるわけではないのだが、なんとなく何度も使ってしまう店と、一度も使っていない店があるのは、ある意味マーケティング的にはブランド形成の問題だと思っている。
つまり旅行者という一過性の客にとっては、コスパ、価格対経験満足度合いという公式が働かないのだろうということだ。平たくいえば、「多分、今日食べるのが最初で最後の札幌のラーメンだ」と思えば、あまり金額にこだわる必要もないので、うまければそれで良いという考え方になる。そうなると、売り手側が考えるのが、「安くてうまいものを食べてもらい何度でもきて欲しい」ではなく、「豪華で付属品満タンな、お高いラーメン開発」になる。結果的にリピーター(例えば札幌で仕事に来る人とか北海道大好き旅行者とか)をなくしてしまうので、ブランドが立たない、有名にならない、口コミに載らないという現象が起きているのではないか。

ラーメン横丁に出店している店は、本店が行列ができるほどリピーターに支えられているからこそ力があると言えるので、この横丁の中だけでは「強いブランド」になることはできないのではないかという疑念だ。ちなみにススキノ周辺にある有名店でも、トッピング大盛りをやっている店はどうにもいただけない気がする。(まあ、全部乗せが流行であることは認めるけれど)
などと考えてこれまで利用したことがない店を順番に回ってみようと行脚を開始した。

その一番目が弟子屈ラーメン。
弟子屈という場所はわかるが、そこにある特産品はなんだったかなあ、摩周湖の霧かな、みたいな冗談しか思いつかない。なので、さっそく実食。味噌ラーメンでした。普通にうまいが、特徴はよくわからない。どうやら柔らかいチャーシューが店の自慢らしい。北海道で特別の味噌の産地は記憶にないので、土地柄の味噌を使ったということもないだろう。ラーメンの上に乗っている味噌玉は、北海道ではあまり見ないトッピングだ。山形の龍上海の影響なのかなと思いつつ、味噌玉自体はあまり強烈な味ではない。普通に美味しいラーメンだと思うが、この店の特徴というやつはあまり記憶に残らないかな。

その二番目、ラーメン空。大きいチャーシューが特徴らしい。もやしとメンマは札幌味噌ラーメンでは標準形の一つだ。スープの味は、これも普通。どこか尖っているというところはない。問題は麺で、茹ですぎ。伸びている。札幌ラーメンは少々硬めの歯応えがある麺が特徴だと思うが、明らかに柔らかい。今回は調理ミスなのであれば、次回は期待できると思うが、これが標準であるのであれば、好みとは違うなあという感じ。関東圏のラーメン屋はこれに近い柔らかい麺を出す店も多いので、一概にダメだとは言わないが、札幌的ではないような気がする。でも、それを確かめるためにもう一度たべてみるというのも気が進まない。

食の機会は一期一会だから、残念な経験をしたら、それまでよということで良いとは思うけれど。