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ハワイ雑記 その2 食べたものを覚えていない?

ワイキキの浜と言ったのは、一体誰だったか。ハワイにいた時に遊びに来ていた誰かだったはずだが、世界に冠たるビーチを「浜」呼ばわりするとはと、記憶に残った迷言だった。そんな日本からの訪問者をもてなす?には定型パターンがあり、「サークルアイランド」と言う島一周のドライブだった。ワイキキを起点に時計回りにオアフ島をぐるっと一周すると大体4時間から5時間かかる。フリーウェイで西のパールハーバーあたりまで行き、アロハスタジアムを見て、そこからH3、北行きの高速道路でドールのパイナップル畑で休憩。その後、オアフ島北端の街に行って「ここがビッグウェーブの場所だ」とサーフィン話を少々。この北の街は確かに鄙びた田舎町風(今ではすっかり観光地だが)で、そのあと島の東側を周りながら、映画に出てきそうな断崖とジャングルを見る。時間があれば水族館(シーライフパーク)や民俗村(ポリネシアンカルチャーセンター)などを見物。そしてダイヤモンドヘッドの裏側から、オアフ島の高級住宅街を抜け、ワイキキに戻ると言うコース。バスツアーでも同じような行程があるようだ。そのオアフ島北部、そして東部が実に風の強い場所で、椰子の木が斜めに生えているわけがよくわかる。

そして、ハワイ訪問者を連れて行くのは、高級レストランだったことはない。普段使いしている「カジュアルレストラン」がほとんどで、ドレスコードなどありはしないお気楽さだった。Tシャツ、短パン、サンダルで平気で入ってて行くような店だった。そんな昔を懐かしみ、久しぶりに入ったダイナーで注文したもの。
多分これは春巻きだったと思うが、なにぶん数年前の記憶のためはっきりしない。スプリングロールと言っても、レストランによってはトルティーアを使っていたり、なんと言うか自由奔放に料理を改造する土地柄なので(これをパシフィック・リムなどと格好つけているが)、「・・・のようなもの」と言う表現が正しいだろう。特にアメリカ料理と言うよりハワイ料理と言った方が良いのは、とにかく何にでもセロリを入れたがる。日本料理でいわば椎茸とかたけのこ的な位置づけだろうと思うが。スープだろうが、サラダだろうが、肉料理だろうがお構いなしのセロリ攻撃だ。
当然、春巻きもどきにもがっつりセロリ。それを怪しげなマヨケチャップ風なソースか、ブルーチーズ風味のこってりソースにつけて食べる。やはりこれは日本人的な常識の斜め上に行くハワイアンテイストだろう。ただ、これもハワイ滞在時間が伸びると、昔の感覚が戻ってくるので「これはありだな」とか「結構気にいってきた」などと思うようになる。残念なことに、そう言う気分になったあたりでハワイから帰ってくることになるのだが。

世界中のリゾート地はどうなっているかは知らないが、アメリカ合衆国の中で、安心して夜遊び、夜歩きができるのはワイキキのメインストリートくらいではないかと思う。大都市では夜遊びは危険以外の何者でもないが、ワイキキの夜のテラス席で一杯やるのはそれなりに安全というか危機感は持たなくても良さそうだ。おそらくビーチに面したホテルのバーラウンジやビーチに点在するダイニングバーでは、日本の繁華街、新宿や難波やススキノ程度には安全だろう。
それでも陽気なアメリカ人の酔っ払いに声をかけられて、意気投合したりするのはお勧めしないけれど。