日比谷にできたミッドタウンがおしゃれなビルだというのは聞いていたが、埼玉原住民にとってはなかなか日比谷や銀座界隈に出かける機会がなかった。お天気が良いこともあり、新橋からお散歩してみた。ロイヤルが運営するカフェで散歩の後の一休みだ。

アイスコーヒーの出し方がおしゃれだなあと思うが、この辺りがやはり大都会の洒落っ気というか、さりげなく威張っているところだななどと思う。しかし、ここは日比谷だ。新宿でもなく渋谷でもない。昔の農村の集落(渋谷村ね)や都落ちの宿場町(内藤新宿ね)ではないので、江戸城直下なのだ。江戸時代の縄張り感覚で考え直してみれば、日比谷は大人の街でアップタウンなのだ。

大きな窓の近くの席は日差しが入ってきて明るい。裏路地にある薄暗いカフェは苦手なので、これは健康的でありがたいなどと思うのが都会人でない証拠だ。ウッドデッキは目に優しい。打ちっぱなしのコンクリートの壁や床は嫌いだ。都会的な、アーバンななどと言われてもフンってものだ。昼時であれば、ここでおしゃれなランチを食べたのになとちょっと反省した。

ウッドデッキの向こうに広がるのは南側から見た皇居と、丸の内のオフィスビル。150年続く日本の中心地だ。アイスコーヒーを飲みながら、この日本の中心地を眺められるとは、これはまた豪勢な光景だななどと感心していた。例えば、京都で清水寺を見ながらお茶お飲むとか、大阪城を見ながら食事をするとかいうことができる場所は、それなりに存在しているだろうけれど、皇居を見ながら(この首都東京の都心にある森を見ながら)のカフェ飯というのは、ひときわ価値が高い気もする。皇居正面のホテルや丸の内のオフィスビルからでも、この光景は見られるとは思おうのだが。一般市民が自由にはいれるかというとね・・・。

皇居の反対側には日比谷公園が広がり、その向こうはもう一つ別の日本の中心地。霞ヶ関界隈は、もう少し魑魅魍魎の住む妖怪変化の世界のような気もするので、あまり近寄りたくはないが。日比谷公園もこうして高い場所から風景を切り取ってみると、なんだかセントラルパーク(ちょっとしょぼい版)みたいな気がしてくる。

まだまだ東京には、知らない風景があるなと思いつつ、田舎町にある我が家に戻るのでありました。日比谷周辺からは、翔んで埼玉に行く直行便があるのでそれなりに便利なのだよ。